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エリブリン・抗がん剤の概要
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分類- 植物アルカロイド |
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抗がん剤エリブリンは植物アルカロイドに分類される手術不能または再発乳がんに使用される日本で開発された薬剤です。
この薬剤は国内で採取された海綿勣物のクロイソカイメンから抽出されたハリコンドリンBの合成誘導体です。
2014年にアントラサイクリン系および,タキサン系抗がん剤が効かなくなった「手術不能または再発乳がん」を適応症として承認されました。
細胞分裂に作用する微小管のはたらきを抑制し,がん細胞の増殖を妨げ,がん細胞を死滅させます。
これにより細胞周期の第2間期,および分裂期で細胞分裂を停止させてアポトーシス(細胞自死)を誘導します。
乳がんでアントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤を含む化学療法を既に受けた症例に使用され,単剤でも生存期間を延長できます。 |
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治療対象となるがんの種類
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手術不能または再発乳がん
アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤を含む化学療法を施行後の増悪もしくは再発した乳がんに単剤で使用。
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投与法
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無色透明な注射剤で,通常1日1回2~5分間かけて,週1回静脈内に注射します。
これを2週連続で行い,3週目は休薬します。これを1コースとして,投与を繰り返します。
少量ながらエタノールを含んでいるので,アルコールに弱い人は伝えておきましょう。
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エリブリンの主な副作用
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血液毒性では好中球,白血球,ヘモグロビン値,血小板の減少などがみられる骨髄抑制があります。
その他の抗がん剤副作用として,脱毛,倦怠感,吐き気,悪心,食欲減退,口内炎,味覚障害などがみられます。
間質性肺炎,骨髄抑制による感染症や末梢神経障害は重篤化する場合もあります。
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使用上の注意 |
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高度な骨髄抑制がみられる場合や本剤の成分に対しアレルギーのある人には使用できません。
白血球減少などの骨髄抑制が起こることがあるので,血液検査を頻回に行う必要があります。
肝機能障害の患者では,好中球減少が現れやすくなるので, 肝機能障害および腎機能障害がある人は治療前に報告しましょう。
エリブリンは無水エタノールが含まれるため,アルコール過敏症の人は治療前に報告しましょう。
動物実験において精巣毒性が認められているので,生殖年齢にある人には注意が必要です。
放射線照射と本薬剤による抗がん剤治療の併用は,骨髄抑制が増強するおそれがあります。
妊娠中の女性は原則として使用できません。授乳は中止してください。
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