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ノギテカン・抗がん剤の概要
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分類- 植物アルカロイド |
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商品名 ハイカムチン 製造・販売 -日本化薬,グラクソ・スミスクライン |
抗がん剤ノギテカンは小細胞肺がんや,がん化学療法後に憎悪した卵巣がんの治療に使用されるトポイソメラーゼ阻害薬と呼ばれる薬剤であり,海外では,トポテカンと呼ばれています。
また,卵巣がんのノギテカン療法は,大規模臨床試験の結果から,プラチナ耐性再発卵巣癌に対する治療法の1つとなっています。
この薬剤はクサミズやカンレンボクと呼ばれる植物に含まれる植物アルカロイドであるカンプトテシンを化学的に合成してつくられます。
ノギテカンはDNAの複製,転写,組み替えなどに関わる酵素トポイソメラーゼIを阻害することで,細胞増殖を抑制し,がんを死滅させます。
この作用医機序はイリノテカンと同じですが,代謝分解の過程で生ずるSN−38が,ノギテカンは生じないという点で異なり,イリノテカンでは強い副作用の下痢が,イリノテカンでは少ないという点がメリットです。 |
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治療対象となるがんの種類
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再発小細胞肺がんにおいては,初回化学療法が無効および,再発までの期間が6ヶ月未満の症例に対して,ノギテカン単剤療法やアムルビシン単剤療法が使用されます。
2011年に,抗がん剤治療後に増悪した卵巣がんにも承認されました。
卵巣がんにおいては,プラチナ製剤の最終投与日から再発・再燃までの期間が6ヶ月未満の症例に対して,ノギテカン単剤療法が使用されます。
その他,リポソーム化ドキソルビシンやゲムシタビン,イリノテカン,パクリタキセル,ドセタキセル,エトポシド(経口剤)などの単剤療法も使用されています。
小細胞肺がん,卵巣がん,シスプラチンとの併用による切除不能・再発の子宮頸がん(国内未承認)
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投与法
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注射剤で,通常成人には1日1回,点滴で静脈に投与します。
細胞肺がんでは,通常,成人に1日1回,1.0mg/m2 (体表面積) を5日間連日点滴静注し,少なくとも16日間休薬します。
これを1コースとして,抗がん剤投与を繰り返します。
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ノギテカンの主な副作用
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本薬剤の特徴として,骨髄抑制が強いという点があり,高頻度で出現します。
白血球,赤血球,好中球,血小板などが大きく減少し,感染症による死亡例も報告されています。
下痢などの消化器症状はイリノテカンよりは軽いものの,消化管出血などの副作用は起きることがあります。
間質性肺炎や肺塞栓症が起こることもあり,その他の副作用として,吐き気・嘔吐,脱毛,口内炎,便秘,下血,発熱,疲労感などもみられます。
腎機能が低下すると,副作用の血液毒性があらわれやすく,注意が必要です。
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使用上の注意 |
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骨髄抑制などの副作用が起こりすい抗がん剤なので,それによる感染症などに注意し,頻回に血液検査,肝機能検査,腎機能検査などを行う必要があります。
38度以上の熱や排尿時の痛み,せきなどがみられたら,すぐに医師に報告してください。
重い骨髄抑制のある人や感染症を合併している人は使用できません。
ノギテカンの主な排泄経路は,尿中排泄であり,腎機能障害をともなうと,血液毒性などの副作用が強くあらわれるおそれがあります。
特に高齢者は潜在的に腎機能が低下している可能性があり,慎重に投与する必要があります。
抗がん剤シスプラチンと併用すると,腎機能が低下し,腎臓からの薬剤の排出がうまくできなくなることがあります。
プロベネシド(ベネシッド)などの腎イオン輸送系阻害剤との併用により,副作用が増強される可能性があります。
動物実験で催奇形性が報告されているため,妊娠中または妊娠の可能性がある女性は使用できません。男性も避妊が必要です。また,授乳は中止してください。
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