ビンクリスチン
                               
 

抗がん剤治療副作用のすべて

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ビンクリスチン・抗がん剤の概要

    分類- 植物アルカロイド
       
商品名
オンコビン
製造・販売
日本化薬
   


抗がん剤ビンクリスチンは,白血病や悪性リンパ種,多発性骨髄腫,脳腫瘍などの治療に使用されています。

この薬剤は1960年代に,アメリカで研究開発されたもので,マダガスカル島原産の植物であるキョウチクトウ科のニチニチソウという植物に含まれる強い毒性成分をもとにつくられています。

ニチニチソウはもとは,糖尿病の薬として使われていましたが,試験管での実験で,各種のがん細胞殺傷能力があることがわかり,抗がん剤の開発に切り替えられて有効成分の調査がおこなわれました。

その結果,1958年にビンブラスチン1961年にビンクリスチンという2種類の抗がん成分の抽出に成功しています。

細胞分裂に関わる微小管のタンパクであるチュブリンに作用し,微小管を崩壊させることで,細胞の分裂を妨げ,がん細胞を死滅させるという抗がん効果を発揮します。

他の抗がん剤との併用により,多くのがんに使用され,小児がんではもっとも多用されています。

また,マウスを用いた試験では,ビンブラスチンよりもビンクリスチンの方が強い抗腫瘍効果を得られることが報告されています。

ビンクリスチンは,神経の軸索にある微小管の形成も阻害するため,神経細胞内輸送の減少と軸索変性をきたし,神経障害が生じると考えられています。


治療対象となるがんの種類

   

急性白血病,慢性白血病の急性転化,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫,脳腫瘍(悪性星細胞腫,神経膠腫)

神経芽腫,ウイルムス腫瘍,横紋筋肉腫などの小児がん



 

投与法

 

凍結乾燥した注射剤で,生理食塩水と混合し,通常は1週間に1回静脈注射します。(1回の投与量は最大2mg)

多発性骨髄腫に対し一般に行われている抗がん剤治療の一つであるVAD療法(ビンクリスチン+ アドリアマイシン+デキサメタゾン)では,28日ごとにドキソルビシン,デキサメタゾンとの併用でビンクリスチン1.4mg/㎡を一日量として初日と4日目に24時間持続で投与します。

非ホジキンリンパ腫に対する標準的な化学療法とされているR-CHOP療法)では,21日ごとにシクロホスファミド,ドキソルビシン,プレドニゾロンとの併用でビンクリスチン1.4mg/を投与します。



 

ビンクリスチンの主な副作用

   

この薬剤による抗がん剤治療の副作用として,もっとも多いものが,手足のしびれ感,感覚異常,言語障害などの神経障害です。

この神経障害は重くなると筋肉麻痺などに至ることもあります。

また,便秘も多くの人にみられ,症状が重くなると腸閉塞(イレウス)になることもあります。

さらに,骨髄抑制による致命的な感染症や,間質性肺炎,錯乱や昏睡などの重い精神症状がみられることもあります。

また,プラチナ製剤との併用では神経系の副作用が強まり,難聴などがことがあります。

その他の副作用として,脱毛,倦怠感,排尿困難などの他,呼吸困難および気管支痙攣(マイトマイシンCとの併用時), SIADH (抗利尿ホルモン分泌異常症),意識障害,アナフィラキシー様症状,狭心症,肝中心静脈閉塞症(VOD),などがみられます。


  使用上の注意     


特徴的な副作用である神経毒性は,総投与量が6~8mgに達すると生じ,15~20mgになると頻度と重症度が増してきます。

30mg以上になると重度の神経障害が生じるとの報告があり,必要に応じて投与量の減量,投与間隔の延長もしくは投与を中止をします。

また,骨髄抑制が重症化する場合もあるので,血液検査,尿検査,肝機能検査,腎機能検査などを頻繁に行う必要があります。

水痘(水ぼうそう)の人が使用すると,致命的な全身障害が引き起こされることがあるので注意してください。

代謝酵素シトクロムP450が関与するため,この酵素に影響を与える薬剤との併用には,特に注意が必要です。

抗てんかん剤のフェニトインや抗腫瘍酵素製剤のL-アスパラギナーゼとの併用で,副作用が増強する恐れがあります。

抗がん個性マイトマイシンCとの併用で,呼吸困難や気管支痙攣を発症しやすいとの報告があります。

筋萎縮と感覚障害を特徴とした脱髄性シャルコー・マリー・トゥース病を発症している場合投与できません。また,随腔内への投与は禁忌です。

抗がん剤が漏れて皮膚と接触すると皮膚炎を起こすので,点滴中はなるべく安静にしましょう。

妊娠中の女性は原則として使用できません。授乳は中止してください。



       
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