ビノレルビン
                               
 

抗がん剤治療副作用のすべて

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ビノレルビン・抗がん剤の概要

            分類- 植物アルカロイド
                  商品名 ナベルビン 製造・販売 協和発酵 


抗がん剤ビノレルビンは,微小管を阻害する作用があり,非小細胞肺がんや手術不能・再発乳がんに使用されています。


ニチニチソウの抽出成分から,1979年にフランスの製薬会社ピエールファーブルメディカメンが化学合成に成功しました。

この薬剤は,細胞分裂時にはたらく微小管のはたらきを阻害することで,細胞分裂を妨げ,がん細胞を死滅させます。

ビノレルビンは他のビンカアルカロイドと同じ構造を持ちますが,一部異なる構造により,脂溶性で,肺組織への移行性が良好とされます。

また,同系統の代表的抗がん剤として,ビンクリスチン(オンコビン)がありますが,ビノレルビンは,微小管の中でも,神経系作用する微小管ではなく,有糸分裂に作用する微小管を選択的に阻害します。

したがって,ビノレルビンは,同系統の薬剤のビンクリスチン比較して,同等以上の抗がん作用があるわりに,神経に対する副作用は少ないと報告されています。



ビノレルビン白金製剤であるシスプラチンと組み合わせて投与されることが多い抗がん剤です。



治療対象となるがんの種類

   

非小細胞肺がんや手術不能・再発乳がんなどに対して使用されています。

非小細胞肺がんに対して単独での使用時の奏効率は約30%で,他の抗がん剤と併用時の奏効率は約60%程度と報告されています。



 

投与法

 

液体状の注射剤であり,成人では通常1日1回の割合で,体表面積に合わせた量を静脈内に投与します。

切除不能または再発非小細胞肺がんに対する標準的な化学療法の一つとされているNP療法(ビノレルビン+シスプラチン)では,シスプラチンとの併用でビノレルビン25mg/㎡を初日と8日目に,21日ごとに投与する方法があります。

また,70歳以上のPSO~2の進行非小細胞肺がん患者に対しては,21日ごとにビノレルビンを単剤(25mg/㎡)で初日lと8日目に投与する方法があります。

手術不能または再発の乳がんに対しては,ビノレルビン25mg/㎡を初日と8日目にl
21日ごとに投与します。

日本において行われたアントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤治療後の進
行・再発乳がんに対する後期第Ⅱ相試験では,21日ごとにビノレルビン25mg/㎡を初日と8日目に投与するという方法により,50例中10例に奏効率20%の部分奏功が認められています。



 

ビノレルビンの主な副作用

   


ビンカアルカロイド系の抗がん剤の中では,神経系に対する毒性が比較的弱く,手足のしびれなど,末梢神経障害は少ないとされています。

しかし,白血球減少,好中球減少,赤血球減少,血小板減少などの骨髄抑制による感染症や貧血,出血傾向には注意が必要で,臨床試験では死亡例も報告されています。

その他,食欲不振,倦怠感,脱毛,発熱,嘔吐・吐き気,静脈炎,口内炎,便秘,下痢,知覚異常などがみられます。

また,麻痺性腸閉塞や間質性肺炎,気管支けいれん,心筋梗塞などがみられることもあります。

その他,まれな副作用として,肺水腫,気管支痙攣(マイトマイシンCとの併用で多い),ショック,アナフィラキシー症状,SIADH(抗利尿ホルモン分泌異常症),肺塞栓症,腎障害,急性膵炎などがあります。



  使用上の注意     

肝機能障害や神経障害を起こしたことのある人,あるいは現在ある人は担当医師に報告しましょう。

抗がん剤治療の副作用としての便秘(麻痺性イレウス)を予防するために,水分や繊維質のものを多めにとることをこころがけましょう。

骨髄抑制の重篤な副作用が起こりすい抗がん剤なので,それによる感染症や貧血などに注意し,頻繁に血液検査,肝機能検査,腎機能検査などを行う必要があります。

38度以上の熱や排尿時の痛み,せきなどがみられたら,すぐに医師に報告してください。

著しい骨髄抑制のある人や感染症を合併している人は使用できません。

ビンカアルカロイド系の薬剤なので,投与中に薬剤が血管外へ漏れ出すと,強い皮膚障害が起こります。点滴中は,体を動かさないよう注意しましょう。

また,血管炎予防のため,投与時問は10分以内とし,投与後は補液などにより血管内の薬剤を十分に洗い流すことが必要です。

投与してから数日後に,投与血管や局所の腫脹・疼痛が生じる場合があるので,すぐに報告してください。

一部の抗真菌薬,抗てんかん薬,抗生物質,カルシウム拮抗薬剤,ペンゾジアゼピン系の向精神薬剤との併用では副作用が増強する場合があるので,担当医師に確認しましょう。

肝機能障害がある場合には,投与量の減量が必要とされています。

妊娠中の女性は原則として使用できません。授乳は中止してください。



       
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