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シクロホスファミド・抗がん剤の概要
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分類-アルキル化剤 |
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商品名 エンドキサン 製造販売 塩野義製薬 |
この抗がん剤は,50年以上前から世界で使用されているアルキル化剤の代表的な抗がん剤です。
がん細胞の核酸代謝を阻害することで,細胞分裂を妨げ,抗がん効果を発揮します。
この薬剤は1956年にドイツの製薬会社が,第一次大戦で使用された毒ガスからつくられた抗がん剤ナイトロジェンマスタードの毒性を弱め,開発したものです。
当時は開発にあたって,動物実験よりも先に人体に対して試験的に投与されたという経緯があります。
現在では,小細胞肺がんに対するCAV療法や,非ホジキンリンパ腫に対するCHOP療法などの多剤併用療法の一つとしても使用されています。
また,悪性リンパ腫の一つである,ホジキン病に対するC-MOPP療法では,国内では未承認のナイトロジェンマスタードの代わりに使用されています。
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治療対象となるがんの種類
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ほとんどのがんに適応できるという特徴があり,効果も比較的穏やかなため,多くの場合,他の抗がん剤と共に併用される他,大量療法においても使用されています。
悪性リンパ腫,ホジキン病,リンパ芽球性リンパ腫,細網肉腫,悪性黒色腫,胃癌,咽頭癌,横紋筋肉腫,急性白血病,結腸癌,子宮癌,子宮体癌,神経芽腫,網膜芽細胞腫,形質細胞性骨髄腫多発性骨髄腫,乳癌,肺癌,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,卵巣癌,絨毛癌,膵臟癌等。
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投与法
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注射剤と,錠剤があり,通常は静脈に点滴で投与しますが,筋肉注射や,腹腔内や胸腔内に投与する場合もあります。
造血幹細胞移植の前処置などで大量に投与する場合には,泌尿器の障害を呼ぼうするため,メスナや輸液の投与が必要となります。
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主な副作用
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骨髄抑制による白血球の減少,吐き気・嘔吐,食欲不振,脱毛,腎障害,出血性膀胱炎,排尿障害,間質性肺炎などがみられます。
また,男性では無精子症,女性では無月経となることもあります。
まれに心不全や,アナフィラキシーショックによる血圧低下,呼吸困難,じん麻疹が起こることもあります。
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使用上の注意 |
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出血性膀胱炎は,抗がん剤の成分が体内でアクロレインという膀胱を刺激する物質に変わるためであり,水分を十分にとり,尿量の増加を心がけてください。
また,ペントスタチンの使用中は心毒性の危険があるため,使用できません。
他の抗がん剤や,痛風治療薬のアロプリソールなどと併用すると,骨髄抑制作用が強まるので注意が必要です。
また,副腎皮質ホルモン剤や抗生剤クロラムフェニコールと併用すると,この抗がん剤の効果が弱まることがあります。
肝機能障害,腎機能障害のある人は,機能がさらに低下するおそれがあり,注意が必要です。
妊婦は原則として使用せず,授乳婦で使用するときは授乳を中止してください。
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