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アキシチニブの概要
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分類- 分子標的薬 |
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アキシチニブ(インライタ)は VEGFR-1, 2および3の細胞内チロシンキナーゼを特異的に阻害する小分子型の分子標的薬です。
アキシチニブ(インライタ)は細胞内にあるチロシンキナーゼのATP(アデノシン三リン酸)結合部位においてATPの結合を抑制することによりチロシンキナーゼの活性を阻害します。
その結束, VEGFRの自己リン酸化が阻害され,細胞内シグナル伝達が抑制されることで血管新生とともにリンパ管新生も阻害され,がん細胞の増殖や転移を抑制します。
現在,切除不能または,転移性の腎細胞がんに使用されています。
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サイトカイン治療抵抗性の転移性腎細胞がん患者を対象として実施した国内第U相試験において奏効率は50%で,無増悪生存期間中央値は11.0ヵ月でした。
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治療対象となるがんの種類
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根治切除不能または転移性の腎細胞がん。
抗がん剤(サイトカイン製剤を含む)の治療歴のある症例が対象です。
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投与法
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錠剤。通常1回5mg (症状により適宜増減)を1日2回経口投与します。
1回10mg,1日2回まで増量できます。
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アキシチニブ(インライタ)の主な副作用
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高血圧が高頻度にみられ,8割以上の患者にあらわれます。
発赤.疼痛などをともなう手足症候群は投与後1ヶ月程度で出現し,8割近くの患者にみられます。
タンパク尿もみられますが,投与前の検尿ですでにタンパク尿を示している症例で高度になる危険性が高いので,検査・観察など注意が必要です。
また,投与後1ヶ月程度で,肝機能障害が約20%,血小板抑制などの血液検査異常が約10%に出現します.
また,甲状腺機能低下もおよそ投与後1ヶ月程度で,5割程度で出現することが多く,倦怠感もちょうどこのころ発症します。
消化管にかかわる副作用は投与開始後2〜3ヶ月後にあらわれ,下痢は60%の患者にみられます。
その他の副作用として,食欲不振や悪心・嘔吐,発声障害,体重減少,口内炎,発疹,便秘,頭痛,皮膚乾燥,味覚異常,浮腫などもみられます。
この抗がん剤は血管新生阻害薬なので出血や梗塞を起こすこともあります。
また,腫瘍が大きい場合には腫瘍崩壊症候群をきたす可能性もあります。
重い副作用として高血圧や高血圧性緊急症,動脈血栓塞栓症,静脈血栓塞栓症,出血,消化管穿孔,可逆性後白質脳症症候群,肝機能障害が現れることがあります。
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使用上の注意 |
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高血圧の対処は降圧薬の使用になりますが,患者自身で毎日血圧測定を行。い記録することが大切です。
また,高血圧の管理が不十分の場合には,高血圧性緊急症(高血圧クリーゼ)や可逆性後白質脳症による意識障害をきたすこともあるので注意が必要です。
手足症候群に対する対処として,靴は刺激のないものを使用することや,投与前に軟膏などをあらかじめ塗布しておくことも有効です。
甲状腺機能亢進にも注意が必要で,甲状腺ホルモン(TSH)など甲状腺機能のモニタリングが必要です。
自己判断で使用を中止したり,量を加減したりすると病気が悪化することがあ
るので,用法・用量を守りましょう。
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以下の場合は使用できません。
過去にこの抗がん剤に含まれる成分で過敏症の既往歴のある人や妊婦または妊娠可能性ある人
次の場合は慎重に使う必要があります。
高血圧の人や甲状腺機能障害のある人,血栓塞栓症またはその既往歴のある人
脳に転移がある人,手術後傷が治っていない人,肝臓に中等度以上の障害がある人や高齢者。
グレープフルーツはこの薬剤の代謝を妨げ,作用を増強させてしまい,セイヨウオトギリソウ含有食品は効果を弱めます。
次の薬との併用には注意しますがあります。
この抗がん剤は,主に酵素CYP3A4/5で代謝されるので,この酵素活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には,注意して投与します。
また,CYP3A4/5誘導剤では,本剤の代謝が促進され血中濃度が低下する可能性があます。
たんぱく尿が現れることがあるので本剤の使用前および使用中に甲状腺機能検査の他,血液検査,尿検査が行われる必要があります。
肝機能障害が現れることがあるので定期的に肝機能検査を行います。
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