セツキシマブ(アービタックス)

   セツキシマブ(アービタックス)はEGFRを標的とするモノクローナル抗体の分子標的薬です。

  
                              セツキシマブ(アービタックス)
                                 
 

抗がん剤治療と副作用のすべて

分子標的薬セツキシマブ(アービタックス)の特徴や投与法,副作用や治療対象のがんの種類や使用上の注意などを解説

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セツキシマブの概要

分類- 分子標的薬剤
   
商品名
アービタックス
製造・販売
メルクセローノ


セツキマシブ(アービタックス)は,2008年に承認された,ヒト上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)を標的とするヒト・マウスキメラ化モノクローナル抗体の分子標的薬です。

この抗がん剤はブロッキング抗体ともよばれ,ヒト上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)に結合することで,シグナル伝達を遮断し,がん細胞の増殖を抑制します。

セツキマシブ(アービタックス)は,EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸がんおよび直腸がんを対象として使用されます。


この薬剤は,他の抗がん剤との併用して使用する他,単独投与での治療も効果を示すと考えられています。

これまでの研究の結果,KRAS遺伝子が変異していない野生型で効果が期待できることがわかりました。

これは手術や内視鏡検査で得られたがん組織から,遺伝子を取り出し検査することで判別でき,保険適応にもなっています。

セツキマシブ(アービタックス)の治療では,副作用として皮膚症状があらわれた場合のほうが,治療効果が得られるという報告があります。



治療対象となるがんの種類

   

EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の大腸がん。

切除不能大腸がんでは,FOLFOX療法(フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン)やXELOX療法(カペシタビン+オキサリプラチン),FOLFILI療法(フルオロウラシル+ イリノテカン+ レボホリナート )が一次治療や二次治療として,適用されています。

セツキマシブは,これらの抗がん剤に耐性が生じた場合の三次治療として,単剤または,イリノテカンとの併用で使用します。

しかし,最近では,KRAS遺伝子変異が内場合,一次治療から使用されることもあり,特に,抗がん剤ベバシズマブが使用できない場合などにおいて使用されます。



  投与法  

通常週1回,初回は400mg,/㎡(体表面積)を2時間で点滴します。

2回目以降は250mg /㎡(体表面積)を1時間で,点滴静注します。

用量は患者の状態により適宜減量します。

インフュージョンリアクション(急性輸注反応)を軽減させるため本剤投与前
に抗ヒスタミン剤の投薬を行います。

さらにセツキマシブ(アービタックス)投与前に副腎皮質ホルモン剤を投与すると。インフュージョンリアクションが軽減されることがあります。 



 

セツキマシブ(アービタックス)の主な副作用

   

セツキマシブは,ほとんどの患者に皮膚障害の皮疹(ニキビ様の発疹,皮膚の乾燥・かゆみ,皮膚のひび割れ,爪囲炎など)の副作用がみられます。

ニキビ様発疹は分子標的薬では起こりやすいとされ,投与後薬1週間で出現します。対処法としては,保湿剤やステロイド剤を使用します。

点滴注射に伴う急性期の反応としてインフュージョンリアクション(アレルギー反応)が起こることもあり,めまい,発熱,発疹,悪寒などがみられます。

重篤な場合は,ぜんそく発作や血圧低下などのショック症状が起こるため注意が必要です。

約半数以上の患者で下痢があらわれ,中には重症化する場合もあります。

副作用の低マグネシウム血症では電解質バランスが崩れることがあり,倦怠感や震えの原因となることがありますので,電解質を補充する必要があります。

その他の副作用として,食欲不振,口内炎,悪心,倦怠感,リンパ球数減少などがみられます。

また,重度のインフュージョンリアクションや皮膚症状の他に,間質性肺疾患,心不全が報告されています。

また眼障害(角膜炎等)が引き起こされることがあり,十分な注意が必要です。



  使用上の注意     

ほとんどの患者にみられる皮疹に対しては, 直射日光を避けたり日焼け止めを用いたりして,紫外線刺激を避けることも重要です。

また,刺激の少ない石けんを使うことも必要です。

皮膚乾燥や亀裂は1ヵ月ごろから出現し,続いて爪囲炎も起こってきます.皮膚科医師とも相談しながら,適切なスキンケアを行い,治療を継続可能にすることが重要です。


重度のインフュージョンリアクションに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行ったうえで開始します。

2回目以降の投与時に初めて重度のインフュージョンリアクションを発現することもあります。

抗ヒスタミン剤の前投薬を行った場合でも,重度のインフュージョンリアクシ
ョンが発現したとの報告があります。

インフュージョンリアクションが起きた場合,通常Grade1であれば,投与速度を半分程度にして継続します。

Grade2であれば中断して,ステロイドなどを投与して改善がみられれば投与速度を落として再開します。

Grade3以上の場合は治療中止とします。


下痢に伴う脱水やバランスの変化を予防するために水分の補充をしてください。

この抗がん剤の成分に対し重い過敏症の既往歴のある場合は使用できません。

次の場合は慎重に使う必要があります。

間質性肺疾患の既往歴,心疾患またはその既往歴がある人

抗がん剤治療開始するにあたっては冠動脈疾患,うっ血性心不全および不整脈等の既往歴にも注意する必要があります。



           
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