ゲフィチニブ(イレッサ)

     ゲフィチニブ(イレッサ)はチロシンキナーゼ受容体を標的とする分子標的薬

  
                            ゲフィチニブ(イレッサ)
                               
 

抗がん剤治療と副作用のすべて

分子標的薬ゲフィチニブの特徴や投与法,副作用や治療対象のがんの種類や使用上の注意などを解説

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ゲフィチニブの概要

      分類- 分子標的薬剤
         
商品名 イレッサ 製造・販売 アストラゼネカ


ゲフィチニブ(イレッサ)は,英国のアストラルゼネカ製薬会社が開発した,非小細胞肺がんの治療に使用される分子標的薬です。

この抗がん剤は,がん表面に存在するEGFRと呼ばれるチロシンキナーゼ受容体を標的とし,細胞増殖を促進させる酵素チロシンキナーゼを阻害することにより,がんの増殖をおさえるという作用があります。

このゲフィチニブ(イレッサ)は日本において,2002 年1 月に承認申請されてから,わずか半年後の,2002 年7 月に「手術不能または再発非小細胞肺がんの治療薬」として,異例な早さで世界に先駆けて承認されています。


イレッサの話題は,「肺がん治療の夢の新薬」としてマスコミにも大きく取り上げられました。

それだけ,この新しい分子標的薬に対する期待が大きかったといえるでしょう。

ところが,投与後の結果では,一部の患者には大きな効果がみられたものの,急性肺障害や間質性肺炎など,重い副作用が一部に見られました。

さらには,死者(副作用の死亡率は0.6%)も次々に報告されたため,「夢の新薬」は一転して「危険な新薬」として報道されることになったのです。

その後の臨床データの集積により,アジア系の人,女性,非喫煙者,腺がん(肺がんの組織型の一つ)の患者に効果が高いということがわかりましたが,当時はその原因までは解明できませんでした。


しかし,その後の研究が進むことにより,上記の患者の場合,チロシンキナーゼ受容体のEGFRが変異しているケースが多く,この変異型EGFRにおいてゲフィチニブ(イレッサ)は有効であると判明したのです。 

さらに詳しい研究では,この変異型EGFRは,この阻害薬の分子が結合しやすく,また,変異型EGFRは特に細胞の増殖シグナルが活性化していることがわかりました。

そこで,投与前に遺伝子検査を行い,上記のEGFRの変異が確認された場合に,医療保険が適用され,一次治療からの投与も認められるようになりました。

現在では,このように抗がん剤治療の対象を限定することより,RR(奏効率)は75%以上,PFS(無進行生存期間)は7.7カ月~12.9カ月という好成績をあげるようになったのです。

一方,変異がない場合は数%程度のしか有効率しか得られないことも確認されています。



治療対象となるがんの種類

   

EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺がん



 

投与法

 

経口薬で,一日1錠(250mg)を,連日服用します。

食後すぐであると,薬剤の吸収が遅延するため,食後2時間空けて服用します。




 

ゲフィチニブ(イレッサ)の主な副作用

   

最も注意が必要な副作用は間質性肺炎(1~10%未満)であり,投与後1ヶ月以内に発症することが多く,発熱,呼吸困難が初期症状です。

抗がん剤によくみられる白血球減少,血小板減少などの骨髄抑制はほとんどありません。 

吐き気,食欲不振は軽度と報告されています。

副作用としての重度の下痢がみられることもあります。

皮膚の発疹・皮膚乾燥症,ニキビ様皮疹は高頻度(60%)でみられ,爪周囲炎もみられます。

肝機能障害は10%程度みられ,重症化する場合もあるため,休薬が必要となることもありますが,通常は,2週間程度で症状は軽くなります。




  使用上の注意     

肺障害があったり,喫煙歴があったりする人は,この抗がん剤投与で,重い副作用を起こすリスクがあり,注意が必要です。

ゲフィチニブ(イレッサ)はグレープフルーツと共に摂取すると薬剤の代謝が妨げられ,抗がん剤副作用の頻度が増加します。

息切れや呼吸困難,動悸,せき,発熱など風邪様症状がでた場合,間質性肺炎の初発症状の可能性もあり,すぐに医師に報告してください。

間質性肺炎と診断された場合,すぐに服用を中止し,大量ステロイド療法を実施します。

抗てんかん剤フェニトインやカルバマゼピン,バルビツール酸系睡眠剤,抗血液凝固剤ワルファリンカリウム,サプリメントのセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を摂取していた場合,薬剤の血中濃度が低下し,作用が弱まるおそれがあります。





         
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