イマチニブ(グリベック)

     イマチニブ(グリベック)は酵素チロシンキナーゼを阻害する分子標的薬

  
                              イマチニブ(グリベック)
                                 
 

抗がん剤治療と副作用のすべて

分子標的薬トラスツズマブ(ハーセプチン)の特徴や投与法,副作用や治療対象のがんの種類や使用上の注意などを解説

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イマチニブの概要

      分類- 分子標的薬剤
         
商品名 グリベック 製造・販売 ノバルティスファーマ

イマチニブ(グリベック)はスイスのノバルティスファーマ社が開発した分子標的薬です。

この抗がん剤は,がん細胞の増殖に関わる酵素チロシンキナーゼのはたらきを阻害することで,抗腫瘍効果を発揮します。

米国では2001年に承認・発売され,日本でも2001年に慢性骨髄性白血病に対して承認され,2003年には消化管間質腫瘍(GIST)に対しても追加承認されています。



イマチニブ(グリベック)は,BCR-ABLやC-KITと呼ばれるタンパク質を標的にする抗がん剤です。

慢性骨髄性白血病では,骨髄にある造血幹細胞に9番染色体ABLと22番染色体BCRの相互転座からフィラデルフィア染色体が形成され,BCR-ABL融合タンパクが産生されています。

このBCR-ABL融合タンパクは活性化型チロシンキナーゼとよばれ,他の刺激なくとも活性化しており,がん細胞の増殖を無秩序に促進させていると考えられています。


イマチニブ(グリベック)は,そのBCR-ABLタンパクを標的とする分子標的薬であり,フィラデルフィア染色体によってがん化している慢性骨髄性白血病に対して,大きな効果を発揮します。

一方,もう一つの適応疾患である消化管間質腫瘍(GIST)の一部は,C-KITと呼ばれる遺伝子の変異によって発生することが判明しています。

イマチニブ(グリベック)は,C-KITタンパクの活性を阻害することで,消化管間質腫瘍に対しても,抗腫瘍効果を発揮します.




治療対象となるがんの種類

   

慢性骨髄性白血病

C-KIT陽性の消化管間質腫瘍(GIST)

フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病

慢性骨髄性白血病の慢性期・進行期においては一次治療(ファーストライン)で使用されます。

切除不能の消化管間質腫瘍(GIST)に対しても一次治療(ファーストライン)で使用されます。



 

投与法

 

慢性骨髄性白血病慢性期,および,消化管間質腫瘍に対しては,400mg (4錠)/日を一日1回,連日内服投与します。

慢性骨髄性白血病進行期においては,600mg (6錠)/日を一日1回,連日内服投与します。

いずれも,朝食後に多めの水で服用します。



 

イマチニブ(グリベック)の主な副作用

   

この抗がん剤の副作用は少ない方で,長期間の投与でも重い副作用の増加はあまり見られないと報告されています。

吐き気・嘔吐(40%),発疹(40%)はよくみられる副作用です。

好中球減少(40%)や血小板減少(40%)などの骨髄抑制も起こりやすいといえます。

その他,下痢,下肢のむくみ,かゆみや発疹,関節痛や筋肉のけいれん,消化管出血による,腹痛や下血,吐血や,発熱,頭痛,肝障害などもみられます。

また,まれですが,重い副作用として,間質性肺炎,急性腎不全,肺水腫などが起こることがあります。



  使用上の注意     

抗がん剤ニロチニブとの併用は,互いの血中濃度を上昇させる可能性があります。

抗血液凝固剤ワルファリンとの併用では,代謝が阻害され,血中濃度を上昇させる可能性があります。

アゾール系抗真菌剤エリスロマイシンやクラリスロマイシンとの併用では,イマチニブ(グリベック)の血中濃度を上昇させる可能性があります。

フェニトイン・デキサメタゾン・カルバマゼピン・リファンピシン・フェノバルビタールセイヨウオトギリソウ等は代謝酵素CYP3A4を誘導することにより,イマチニブ(グリベック)の代謝を促進し,血中濃度を低下させる可能性があります。

シンバスタチン・シクロスポリン・ピモジド・トリアゾラム・ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤との併用では,これらの血中濃度が上昇する可能性があります。

アセトアミノフェンとの併用では,両薬剤による肝毒性が増強される可能性があります。

グレープフルーツを摂取すると,代謝が阻害され,この薬剤の血中濃度が上昇する可能性があります。

イマチニブは肝臓で代謝されるので,肝機能障害があるときには慎重投与が推奨されます。

心疾患又はその既往歴のある人は,症状が悪化するおそれがあります。


海外では流産や催奇形性が報告されており,妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与できません。また避妊も必要です。




         
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