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プロテアソーム阻害剤とは |
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細胞分裂には,細胞周期と呼ばれるものがあり,「DNA複製期」「分裂期」「休止期」など,いくつかの段階を経て,細胞分裂がおこなわれます。
プロテアソームとは,不要になったタンパク質の分解を行う酵素の複合体です。
不要なタンパク質の分解を行うプロテアソームを阻害すると,細胞周期の終了後,不要となったタンパク質が分解されずに残るため,細胞の機能がうまく作用できず,細胞自死(アポトーシス)が引き起こされます。
分子標的薬のプロアテーム阻害剤とは,タンパク分解酵素のプロテアソームに作用し,がん細胞の中の不要なタンパク質の分解を阻害することで,がん細胞を死滅させようとする抗がん剤です。
日本では,多発性骨髄腫の治療薬であるボルテソミブ(ベルケード)が承認されています。
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26Sプロテアソームの構造 |
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26Sプロテアソームは20Sプロテアソームの両端に19Sプロテアソームが結合して,複合体を形成しています。
20Sプロテアソームはαとβリングからなる円筒構造です。
この26Sプロテアソームが細胞内のタンパク質分解の中心的な役割を果たしています。 |
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プロアテーム阻害剤の作用のしくみ
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細胞内には,NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)と呼ばれるタンパク複合体があります。
NF-κBは,がん細胞の増殖や転移,アポトーシス(細胞自死)の抑制などを可能にする各種の遺伝子発現に関わっています。
このNF-κBは,通常はIκB と呼ばれるタンパクと結合することで不活性な状態にあります。
ところが,サイトカインなどの刺激をがん細胞が受けると,このIκBがリン酸化され,ユビキチンと呼ばれるタンパクと結合します。これをユビキチン化と呼んでいます。
すると,ユビキチン化されることにより,IκBは図に示した19Sプロテアソームに認識され,20Sプロテアソームにより,分解されるようになります。
そこで,IκBにより不活性となっていたNF-κBは活性化し,細胞の核内に移動して,細胞増殖に必要な遺伝子を発現させてしまいます。
このように,がん細胞の増殖に関わる酵素26Sプロテアソームに作用して,不要なタンパクの分解を妨げ,がん細胞の増殖を抑制し,死滅せようとする機能を持つ抗がん剤が,ボルテゾミブなどのようなプロテアソーム阻害剤と呼ばれる分子標的薬です。
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特徴
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プロテアソーム阻害剤は,正常細胞にダメージを与えることなく,がん細胞のみを効果的に死滅させることが可能とされています。
がん細胞は正常細胞と異なり,ある特定の細胞増殖の促進経路に依存しているため,このプロテアソームを阻害されると正常細胞より,ダメージが大きいと考えられています。
正常な細胞はこのような抗がん剤による影響をを一時的に受けたとしても,たいていはすぐに正常な状態に回復する能力があります。
がん細胞では,プロテアソームのはたらきが短時間でも阻害されると、不要なたんぱく質が分解されずに蓄積して信号伝達が混乱し,すぐにアポトーシス(細胞の自死)が起こると考えられています。
この抗がん剤はまた,がん細胞が薬剤耐性をもつ能力を弱める作用もあると報告されています。
現在では,ボルテゾミブは他の抗がん剤との併用により骨髄腫以外のがんに対してもその有効性が期待され,その臨床試験が行われています。
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副作用
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ボルテゾミブの副作用には,特徴的のものとして,発熱,下痢,便秘,嘔吐などの消化器症状や,末梢神経障害や好中球減少,血小板減少などの骨髄抑制などがありますが,症状は軽いとされています。
ただし,重篤な副作用として,間質性肺炎による死亡例も報告されており,注意が必要です。
まれに,心臓血管障害などの重い副作用を起こす症例も報告されています。
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