リツキマシブ(リツキサン)

     リツキマシブ(リツキサン)はCD20抗原を標的とするマウス-ヒトキメラ抗体抗体 

  
                              リツキマシブ(リツキサン)
                                 
 

抗がん剤治療と副作用のすべて

分子標的薬リツキマシブ(リツキサン)の特徴や投与法,副作用や治療対象のがんの種類や使用上の注意などを解説

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リツキマシブの概要

      分類- 分子標的薬剤
         
商品名リツキサン 製造・販売 中外製薬


リツキシマブは1991年に米国の製薬メーカー(現バイオゲンアイデック社)によって遺伝子組み換え技術により開発された分子標的薬です。

リツキシマブは,抗原を認識する領域がマウス由来,それ以外の領域がヒト由来のマウス-ヒトキメラ抗体です。


この分子標的薬は,人のB細胞が増殖する時に,高頻度に発現しているCD20抗原を標的として作用する抗体です。

B細胞リンパ腫では90%以上の症例で,CD20抗原が多く発現しています。

この抗がん剤はCD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対して使用されます。


B細胞リンパ腫細胞表面のCD20抗原とこの薬剤の抗体が結合し,さらにこの抗体に補体成分が結合し,補体が活性化することで,抗体が腫瘍細胞に対して,細胞融解反応を引き起こされます。

もう一方で,腫瘍細胞に結合したこの抗体薬に免疫細胞であるNK細胞やマクロファージが結合することで,これらが腫瘍細胞を破壊します。



治療対象となるがんの種類

   

CD20陽性B細胞性非ホジキンリンパ腫

悪性リンパ腫に対する従来の標準抗がん剤治療であるCHOP療法にリツキシマブを組み合わせたR-CHOP療法が主に適用されています。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対しては,CHOP療法単独との比較試験が行われ, R-CHOP療法が完全寛解率と全生存割合で優れていたことから,現在,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対してはR-CHOP療法が(一次治療)ファーストラインの標準治療となっています。

また低悪性度リンパ腫である濾胞性B細胞リンパ腫のうち病期Ⅲ・Ⅳ期の進行期では, CHOP療法にリツキシマブを併用すると奏効率と全生存割合で優れていたことから,一次治療(ファーストライン)の治療薬として用いられています。



 

投与法

 

無色の液状の注射剤で,生理食塩水かブドウ糖液と混ぜ,成人には体表面積に合わせた投与量を1週間おきに静脈に点滴します。

リツキシマブ投与時は,アレルギー反応であるインフュージョンリアクションを軽減させるため,投与開始の30分前に抗ヒスタミン薬と解熱鎮痛薬を投与します。

投与の際は輸液ポンプを使用し,初回投与時の投与速度は,最初の1時間は25mg/時の速度で点滴静注を開始し,その後注入速度を100mg/時に上げて1時間点滴静注し,さらにその後は200mg/時まで速度を上げることができます。

なお2回目以降の注入開始速度は,初回投与時に発現した副作用が軽微であった場合,100mg/時から開始できます。

注入速度を上げた直後から30分以内に,血圧下降,気管支痙攣,血管浮腫などの症状が出現する場合があります。

注入速度を上げてしばらくは十分に観察し,症状が出現した場合は注入速度を遅め,重篤な症状の場合は中止し,適切な処置を行います。

一時中止した場合は,症状が完全に消失した後に25mg/時の注入速度から再開します。



 

リツキマシブ(リツキサン)の主な副作用

   

リツキシマブの副作用としては,分子標的薬に特徴的なアレルギー反応の一種であるインフュージョンリアクションがあり,注意が必要です。


発熱,悪心,発疹,かゆみなどのアレルギー反応などが高頻度にみられ,重篤な場合はアナフィラキシー様症状,間質性肺炎などの肺障害,心臓障害などにより死亡例も報告されています。

ただし,重篤な副作用がみられるのは初回投与時のみで,2回目以降は頻度,重症度とも軽減していきます。 


腫瘍量の急激な減少に伴い,腎不全,高カリウム血症,低カルシウム血症,高
尿酸血症,腫瘍崩壊症候群が出現し急性腎不全,高カリウム血症,不整脈による死亡例もしくは透析が必要になった例も報告されています。

B型肝炎ウイルスキャリアの患者では,リツキシマブ投与期間中もしくは治療終
了から数力月後に劇症肝炎または肝炎の悪化,肝不全による死亡例が報告されています。

皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死融解症などの皮膚粘膜症状が出現し,死亡した例が報告されています。

この抗がん剤の投与により,好中球減少などの骨髄抑制が起こり,骨髄抑制細菌感染症のリスクが高まることも報告されています



  使用上の注意     

この抗がん剤の使用により血圧が上昇することがあるため,血圧が高い人は事前に医師とよく相談しましょう。


免疫抑制剤を併用すると,薬剤の相互作用により感染症のリスク高くなります。
インフュージョンリアクションや,アナフィラキシー様症状があらわれやすいため,投与中は体温・血圧・脈拍・呼吸数を確認すると共に,悪心・虚脱感・かゆみなど自他覚症状に注意する必要があります。

急激に腫瘍が縮小した場合は,急性腎不全,高カリウム血症,不整脈などの症状をともなう,腫瘍崩壊症候群に十分注意する必要があります。

皮膚粘膜症状が出現し,死亡した例が報告されていますので皮膚症状も十分に注意します。




         
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