ソラフェニブ(ネクサバール)

   ソラフェニブ(ネクサバール)は複数の酵素を標的としたマルチキナーゼ阻害剤の分子標的薬です。

  
                              ソラフェニブ(ネクサバール)
                                 
 

抗がん剤治療と副作用のすべて

分子標的薬ソラフェニブ(ネクサバール)の特徴や投与法,副作用や治療対象のがんの種類や使用上の注意などを解説

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ソラフェニブの概要

分類- 分子標的薬剤
   
商品名
ネクサバール
製造・販売
バイエル薬品

ソラフェニブ(ネクサバール)は,がん細胞の増殖と,血管新生にかかわる複数の酵素(キナーゼ)を阻害することにより,かんの増殖を抑制するマルチキナーゼ阻害剤と呼ばれる分子標的薬です。

ソラフェニブ(ネクサバール)は,標的とする分子として,血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR),血小板由来増殖因子受容体(PDGFR),幹細胞因子受容体(KIT),Fms様チロシンキナーゼ3受容体(FLT-3),セリンスレオニンプロテインキナーゼ(c-Raf,B-Raf)があります。


ソラフェニブは切除不能または転移性腎細胞がん,および,切除不能肝細胞がんに使用されます。

腎細胞がんではインターフェロン無効例に対して,肝細胞がんでは局所治療の適応がない,あるいは無効な患者に対して,大規模な試験で有効性が確認されています。

ソラフェニブはほとんどの患者に治療効果を示すというメリットがある一方で,完全奏効(CR)はほとんどみられません。

したがって, QOLを維持しながら,可能なかぎり長期間,腫瘍増殖を防ぐという延命が治療目標となる抗がん剤です。



治療対象となるがんの種類

   

根治切除不能または転移性の腎細胞がん。
サイトカイン製剤による治療歴のある症例で有効性が確認されています。

切除不能肝細胞がん。
局所療法の適用されない症例に有効性か確認されています。


  投与法  

通常1回400mg (症状により適宜減量)を1日2回経口投与します。



 

ソラフェニブ(ネクサバール)の主な副作用

   

ソラフェニブ(ネクサバール)は,多くの患者に何らかの副作用があらわれます。

まず,高頻度にみられる副作用としては,手足症候群,皮膚症状,高血圧,疲労,下痢,悪心・嘔吐などがあります。

上記の手足症候群の多くは,投与開始後約2週間から起こります。

てのひらや足底などの圧力がかかる部位に紅斑・角化が出現し,しだいに疼痛を伴うようになります。

このような副作用が重症化すると,疼痛により,歩行困難,物がつかめないなど,大きなQOL低下となります。

このような手足症候群には早めの対策が大切で,予防策としては,手足に圧力がかかる運動は避けること,軟らかい靴底の靴を使用したり,靴底にクッション剤を入れること,木綿の手袋や靴下を使用すること,皮膚の乾燥を避けるため保湿クリームを使用すること,などがあげられます。

疼痛を伴うようになればステロイド外用剤の塗布を行います。

その他の副作用として,に発疹,脱毛,白髪などの皮膚症状も多くみられます。

疲労感,倦怠感は,甲状腺機能低下症が原因である可能性があります。

採血でTSH(甲状腺刺激ホルモン)値が上昇している場合は,甲状腺ホルモンを補充します。

その他に出血,消化管穿孔,肝機能障害,腎機能障害,間質性肺炎など
の重篤な副作用があります。



  使用上の注意     

ソラフェニブは食事の影響を受けやすい薬剤なので,抗がん剤治療時に摂取する食品には注意が必要です。

たとえば脂肪は薬剤成分の吸収を抑えてしまうので,高脂肪食を摂取した時には,食前の1時間,食後の2時間は服用を避けるようにしましょう。

また,グレープフルーツは薬剤代謝を弱め,副作用を増強させるリスクがあり,逆に,セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワード)は代謝を促進し,治療効果を弱めてしまいますので,治療中は摂取を避けるようにしましょう。

その他にも,この抗がん剤と併用した場合,治療効果や副作用に影響を与える薬剤として,イリノテカンおよびドキソルビシン,CYP3A4誘導薬,ワルファリン,ドセタキセル,パクリタキセルおよびカルボプラチン,カペシタヒンなどがあり,内服開始前には確認が必要です。

この抗がん剤の成分で重い過敏症の既往歴がある人は使用できません。

動物実験で胎児の奇形か認められたとする報告かあり,妊婦または妊娠の可能性がある人は使用できません。

次の場合は慎重に使う必要かあります。

肝臓に重い障害のある人,高血圧症の人,過去に血栓塞栓症にかかったことのある人,脳に転移かある人,高齢者。

この抗がん剤治療中は,定期的に肝機能検査,胸部X線検査,血液検査をおこなう必要があります。



           
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