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治療方針の決定と確認事項
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現在では,治療前に医師が丁寧な説明を行い,患者がそれを理解し,同意すること,すなわちインフォームド・コンセントが重視されるようになり,医師も丁寧に説明してくれるようになりました。
しかし,皆さんもよくご存じのように,抗がん剤は,一般の薬剤と異なり,副作用も特に強く,時には生命に関わる場合もあります。
さらに,投与が長期にわたる場合もあり,経済的な問題も無視できません。
現在では,医師が大まかな方針を決定した後に,いくつかの方針を示し,その効果とリスクを説明したうえで,どの治療法にするのか患者側に選択の意志表示を求めるケースも増えています。 |
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それ故,わからないことや疑問点は徹底的に質問し,確認しておくことが大切です。そして,自分が納得いかないのならセカンド・オピニオンすなわち他の病院の医師に意見を求めることも大切です。
このセカンド・オピニオンという考え方はようやく日本で普及してきましたが,未だに主治医に遠慮する患者さんもいるようです。
十分納得しないまま,あるいは理解していないままで治療を受けてしまうと途中で疑問が生じ,動揺して,効果に悪影響を与えることもあります。
医師もセカンド・オピニオンは患者の権利として自覚していますし,場合によってはサード・オピニオンを受けるなど,遠慮無く,積極的に受けましょう。
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投与前に医師に確認しておきたいこと
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治療の目的と治療選択の根拠 |
治療の目的は大きく3つあります。それは大きく分けて,「治癒を目指すこと。」 「治癒は困難であるが延命をめざすこと。」 「症状の緩和」 の3つです。
他には手術前にがんを縮小させ,手術をしやすくする場合や手術後の再発予防のためにおこなうこともあります。
患者さんは現在自分がおかれている病状をよく確認した上で,その治療の目的を理解し,納得しておくことが大切です。
また,現在では分子標的薬など,新しい薬剤も次々に開発されています。どうして,この薬剤が選択されるのか確認しておきましょう。
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効果と期間 |
治癒率や無治療と比較しての延命効果,予想される生存期間などについても質問しておきましょう。
効果を尋ねた場合,医師から「奏効率は○○%です。」とか,「〜%の人に効果があります。」と説明される場合もありますが,「奏効率は○○%です。」とは○○%の人に一時的効果があるという意味で,○○%の人が治癒するということを意味することではありません。
(抗がん剤の奏効率)のページ参照
「効果があります。」という言葉も同様で,治癒するという意味ではなく,一時的な腫瘍縮小や症状の緩和などを意味しています。
また,よく使われる「有効」という言葉も同様です。このような患者側にとってあいまいともとれる表現は,その意味を遠慮無く,医師によく確認しておきましょう。
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副作用,後遺症などのリスクとその対処 |
抗がん剤治療では,副作用がでてくる場合が普通です。そこで,どのような副作用がどの程度起こりうるのか,その副作用を抑える方法にはどのようなものがあるのか,確認しておきましょう。
現在は優れた制吐剤が開発され,おう吐や吐き気などはかなり軽減されることができるようになっています。
とはいえ,副作用には個人差が大きく,場合によってはまれなケースであっても,生命に関わるような重篤な副作用も現れることがあります。
さらには,神経障害や腎臓障害,聴覚異常などの長期にわたる後遺症が現れる場合もありますので,その副作用の可能性やその後の対応についてもよく確認しておきましょう。
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この他の薬剤による治療法 |
現在,多くの薬剤が開発されており,選択肢も多くなっています。したがって,他の薬剤の選択肢もないのか,尋ねる必要もあるでしょう。また,保険適応外であっても,日本ではまだ未承認であるものを使用する方法も考えられます。
化学療法をすすめられたが,使用せず,放射線治療単独で治癒したというケースもあります。また,抗がん剤と併用する化学放射線療法は,近年,その有効性が証明されてきています。
医師の示した方針に納得のいかない場合,セカンド・オピニオンによって他の医師から他の治療方法がないか意見を求めることも必要です。
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費用はどの程度必要で保険適応か否か |
抗がん剤治療においては保険適用されている薬剤においても,高額なものもあり,投与も長期間にわたる場合もあります。
それに加え,診察費や各種検査費用もかかるので,費用も確認しておきましょう。
厚生労働省が承認した標準治療を行う場合,1ヶ月間に病院に支払う医療費が一定額を超えた場合,申請すると超過分が高額医療費補助として支給される制度あります。
しかし,未承認薬を使用する場合は,保険適用を受けられないのは抗がん剤の費用だけでなく,検査費用や入院費用などすべてが,自由診療となり,全額負担となります。
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