大腸がん

   
       大腸がんの抗がん剤治療        

抗がん剤治療と副作用のすべて

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大腸がんの治療 

 
 
   
結腸と盲腸にできる結腸がんと,直腸にできる直腸がんの両方を大腸がんといいます。

近年このがんの患者は急増し,この30年間で患者数は約6倍になっています。死亡者数は男性では肺がん,胃がん,ついで第3位で,女性では第1位です。

大腸がんは食生活が大きく影響し,このがんの急増の原因は肉食中心の食物繊維の摂取量の少ない欧米型食生活が原因していると考えられています。

このがんは早期に発見されれば,手術でほぼ完治するがんであり,手術が第一選択肢となります。
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  ステージ分類 
病期  進行度  施術法
0期 癌が粘膜にとどまる 内視鏡治療・手術 
 I期 癌が大腸壁にとどまる
手術 
II期 癌が大腸壁を越えているが隣接臓器に及んでいない  手術+術後補助化学療法
III期 癌が隣接臓器に浸潤しているか,リンパ節転移がある 手術+術後補助化学療法 
IV期 腹膜,肝,肺などへの遠隔転移のあるもの 全身抗がん剤治療か可能なら手術
 
大腸がんの基本は切除であり,可能な限り切除することが基本的な方針です。

0期やI期の浸潤があまり進行していないものは内視鏡による切除も可能です。

U期やV期では,再発予防のために,術後抗がん剤投与をおこないます。


このがんの70%以上は手術で治癒しますが,30%は手術後に再発したり,転移が発見されたりします。

転移しやすい部位は,腫瘍に近いリンパ節や傍大動脈リンパ節,肺や肝臓などです。

再発・転移がんでは抗がん剤治療が中心となりますが,他の臓器(主に肝臓,肺)に転移がある場合も,切除が可能であれば切除します。


大腸癌研究会の報告によると,ステージ別5年生存率は,ステージ0では約95%,ステージIでは約90%,ステージIIでは約80%,ステージIIIでは約65%,ステージIVでは13%です。

       
      
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大腸がんの抗がん剤治療


大腸がんでの化学療法では,近年新しい薬剤が開発され,特に分子標的薬が使用できることになり,生存率も向上しています。

前述したように,大腸がんの基本は手術ですが,術後の補助として,また,手術不能な進行がんや転移・再発したがんでは抗がん剤が投与されます。

手術後の抗がん剤治療では,基本的には外来通院で行われるため,日常生活を送りながら投与を受けることが可能です。


U期とV期の術後化学療法


0期と1期では,手術のみで可能ですが,U期やV期では再発の予防のために,術後抗がん剤投与がおこなわれます。

この術後化学療法では,様々な投与方法がありますが,どの方法であっても,投与期間は6ヶ月を標準としています。

最近では経口薬が使用されることが多く,TS−1やカペシタビンが単体で投与されます。

代謝拮抗剤のカペシタビンの単剤では,朝食後と夕食後に,1日2回服用する方法を21日間行い,その後,7日間休薬する方法を1コースとして実施します。

この抗がん剤では,下痢や嘔吐のような副作用が少ないことが長所であり,おもな副作用としては,手足の先が赤くなったり,腫れて痛くなったりする手足症候群などがあります。


その他の方法としてはテガフール・ウラシル(UFT)とホリナート(ロイコボリン,ユーゼル)へ併用療法があります。

この方法では,ホリナート3錠と抗がん剤テガフール・ウラシルのカプセルか顆粒を,1日に3回にわけて,8時間おきに服用します。

これを28日間つづけ,7日間休薬する方法を1コースとして実施します。


注射剤による通院可能な投与法もあり,5−FU+レボホリナート(アイソボリン,レボホリナート)+オキサリプラチン(エルプラット)の3剤を併用するもので,FOLFOX(フォルフォックス)法と呼ばれています。

この抗がん剤オキサリプラチンの副作用として,冷たいものに触れた時にしびれがあるなどの特徴があり,ひどくなるとボタンをはずせなくなったり,箸が持てなくなったりすることもあります。



大腸がんの進行・再発がんに対する抗がん剤治療


これまで,進行・再発がんの生存期間中央値は厳しいものがあり,1990年代には1年しかありませんでした。

しかし,近年新しい抗がん剤や,分子標的薬の登場により,今では,生存期間中央値は30ヶ月をこえています。

現在,進行・再発大腸がんの中心となっている治療法は5−FU+レボホリナート+オキサリプラチンを併用するFOLFOX法と,5−FU+レボホリナート+イリノテカンを併用するFOLFILI(フォルフィリ)法です。

どちらの方法も予後の生存率は同等といわれていますが,使いやすさから最初にFOLFOXが使用されています。この治療法の副作用としては,吐気や脱毛などがあります。

これらの方法では,点滴時間が長いため,患者はインフュージョンポートという小さな器具を鎖骨の下の皮下に埋め込む処置を受ける必要があります。

埋め込まれた器具は,点滴の速度や量を調整して静脈に薬剤を注入します。自宅で行う場合,注入用のポンプを携帯し,ポートから薬剤を少量ずつ持続的に注入します。



新しい進行・再発大腸がんの化学療法


FOLFOXやFOLFI療法では,5−FUを46時間かけて投与するという,生活上のわずらわしさがあります。

そこで,最近では,経口薬カペシタビンとオキサリプラチンを併用するXELOX(ゼロックス)という治療法やイリノテカンに経口薬のTS−1を併用するIR‐Sという治療法も使われるようになりました。

XELOXでは,カペシタビンを1日2回,2週間連続して朝夕に服用し,1週間休薬します。

オキサリプラチンのほうは,3週間ごとに2時間の点滴で投与され,3週間を1コースとします。



もうひとつのIR−S療法では,イリノテカンとTS‐1が併用されます。

TS‐1のカプセルを2週間連続して服用し,1週間休薬しますが,TS‐1の初日に2時間かけて,イリノテカンと吐き気どめの静注をします。

オキサリプラチンを使わないので,手足がしびれる末梢神経障害が起こらないというメリットがあります。



分子標的薬を使用した進行・再発大腸がんの抗がん剤治療

前述したように大腸がんの分子標的薬の登場により生存率は大幅に向上しています。


薬剤として,セツキシマブ(アービタックス)パニツムマブ(ペクティビックス)と,ベバシズマブ(アバスチン)をFOLFOX6やFOLIRIと併用することで,大腸がんの成績は大きく向上しています。

これらの分子標的薬のうち,セツキシマブとパニツムマブはEGFR(上皮成長因子受容体)に,はたらき,がんを増殖させる信号を阻害します。

このふたつの分子標的薬は、KRAS遺伝子に変異のないワイルドタイプ(野生型)の患者で高い治療効果をあげることが解明されています。

現在では大腸がんの患者の化学療法をはじめるまえに、KRAS遺伝子に変異があるかどうかを調べる検査が実施されています。

KRAS遺伝子の野生型の患者は、大腸がん患者の60%にみられることがわかっています。
いわれます。
 
副作用としては,ほぼ全例で,顔に皮疹ができ,そのほか皮膚の乾燥も多く見られますが、これらは軟膏や薬の予防的な投与で,かなり軽減できるようになっています。

また,抗がん剤ベバシズマブは,がん細胞の新しい血管の生成を阻害する血管新生阻害剤です。

副作用としては高血圧と、タンパク尿があります。ほかに胃や腸に穴があく消化管穿孔や,動脈や静脈に血のかたまりができる血栓症がおこるとされますが,消化管穿孔は1〜2%にす
ぎません。
 

大腸がんにたいする新しい分子標的薬として,血管新生阻害のアフリバセプが登場しています。

また,経口薬レゴラフェニブは血管新生阻害の作用があるだけでなく,がん増殖因子を阻害する作用もあり,海外の臨床試験ではその効果の高さが報告されています。



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