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抗がん剤治療の副作用の吐き気や嘔吐の対処法
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吐き気や嘔吐にはどのように対処すればよいのでしょうか?
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吐き気・嘔吐の原因 |
吐き気や嘔吐は抗がん剤治療の副作用としては,よくみられるものの一つといえます。
吐き気・嘔吐は,薬剤が嘔吐中枢を刺激したり,胃などの消化管粘膜に損傷を与えることなどが原因で起こります。
薬剤の影響だけなく,消化不良や便秘,腸閉塞,がんの脳転移,血液中の電解質の異常,高血糖等も吐き気の原因となります。
進行がんの患者では,とくに原因が見当たらなくても吐き気が続くことがあり,不安や恐怖心など,精神的な要因やにおいなども原因となることがあります。
この吐き気や嘔吐の症状は個人差が大きく,抗がん剤の種類によってもあらわれる強さが違います。
特に,シスプラチン,イリノテカン,シクロホスファミド,ダカルバジンなどは吐き気がでやすい抗がん剤とされています。
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吐き気・嘔吐の対策 |
長時間続く吐き気や嘔吐は患者にとってたいへんつらく,体力や水分を失い,栄養状態が悪化することになります。
患者は精神的にも落ち込み、生活の質(QOL)が著しく低下することになります。
吐き気・嘔吐対策は,抗がん剤治療の副作用対策として,とても重要です。
吐き気や嘔吐の原因が明らかなときは、原因を取り除き,制吐剤を併用すれば,症状を抑えることができます。
近年では効果の高い制吐薬が広く使用されるようになっているので、患者が吐き気や嘔吐に苦しむことは、以前に比べてはるかに少なくなりました。
現在の制吐薬適正使用ガイドラインでは,抗がん剤治療の前に,ステロイド薬であるデキサメタゾン,NK-1受容体拮抗薬であるアプレピタント,そして5-HT3受容体拮抗薬の計3剤を併用する制吐療法が推奨されています。
近年,新しい薬剤としてアプレピタントとパロノセトロンが開発されました。
これらの薬剤はこれまで抑えることが困難とされた遅発性の吐き気などの症状にも有効です。
この2剤とデキサメタゾンの計3剤の併用療法は,アプレピタント+グラニセトロン+デキサメタゾンの3剤併用に比べて,急性嘔吐の予防効果は同等,かつ遅発性嘔吐の予防効果はパロノセトロンを用いる方が高いということが分かりました。
また,このアプレピタントは舌下錠なので,自宅に持ち帰っても服用できます。
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不安から起こる吐き気・嘔吐の対策 |
制吐薬の効きにくい吐き気や嘔吐で,原因が見逃されやすいものに,「予測性の吐き気・嘔吐」があります。
抗がん剤治療を受けている患者も,治療による吐き気や嘔吐を何度か経験すると,薬剤剤投与の時間が近づいたり抗がん剤を点滴する部屋に入っただけで,反射的に気分が悪くなることがあります。
これを予測性の吐き気・嘔吐といい,制吐薬では抑えられないことが多いようです。
治療前の予測性の吐き気は,すぐに医師に伝え,まずは,治療開始時期から吐き気が起こらないように十分な対策をとってもらうことが重要です。
この夕イプの吐き気は,早い段階で精神科医や臨床心理士に相談することが勧められます。
治療前夜に筋肉弛緩作用もある抗不安薬などの投与により,症状が改善されることもあります。
患者自身でできる対処法としては,治療前や治療中に音楽を聴いたりするなどして,リラックスすることが大切です。
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日常の嘔吐対策 |
治療で吐き気が続いている間,患者は嘔吐を誘発しないような生活を心がけます。
食物などのにおいだけでなく,ときには花の香りでも嘔吐を誘うので,部屋はよく換気し,室温もやや低めにします。
また,からだを締め付ける下着なども避けたほうがよいでしょう。
食事は気分のよいときに少しずつ食べるようにし,家族も無理に食べさせようとしないことが大切です。
食事の内容は,香辛料の強いものや味の濃いもの,脂肪分の多いものは避け,消化しやすい食物を選びます。
嘔吐してしまった場合は冷たい水でうがいをし,脱水症状がおきないよう水分補給も心がけましょう。
嘔吐が続くときには,何も食べず,胃や頭を冷やしてみると落ち着く場合もあります。
治療後に嘔吐が起こったときには,その時間とタイミング,回数などを記録し次回の治療時に医師や看護師に報告すると,嘔吐対策に役立ちます。
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