抗がん剤が効くとはどのようなことを意味しますか?
                                 

抗がん剤治療と副作用のすべて

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「抗がん剤が効く」とは具体的にどのようなことを意味するのか教えてください。

   
         
     
 
A
             
      ここで,注意しておきたいことは,「抗がん剤が効く」ということは,がんが治癒することと同じではない。」ということです。

抗がん剤単独で治癒が期待できるのは,白血病や悪性リンパ腫など,主に血液のがんであり,多くは延命か,症状の緩和しか期待できません。

患者の立場で,医師から「この抗がん剤治療は効きます。」と効けば,治癒を意味することと思い込んでしまうケースも多いようです。


ここに医師側と患者側の認識のギャップがあるともいえます。


「抗がん剤が効く」とは以下の3つの場合のどれかになります。

1,がんが治癒する

2,治癒は期待できないが,延命は期待できる

3,延命は期待できないが,腫瘍が縮小し,疼痛など,症状が緩和される



以下のグラフは生存率を縦軸に,時間の経過を横軸にとって,無治療(A)の場合とと化学療法をおこなった(B)のデータをグラフを比較したものです。

下のグラフからわかるように,このケースでは,抗がん剤治療を行えば,生存期間中央値は1年2ヶ月延長しますが,最終的には,生存者が0になります。

生存率は,がんの種類によっても変わり,生存期間中央値の延長期間も異なってきますが,治癒が期待できる白血病や悪性リンパ腫以外はだいたいこのような曲線となり,厳しい見方をすれば薬剤の効果は無治療と比較して,この程度でしかないともいえます。


       
       
       
患者側としては,治療を受ける前に,医師がいう「この治療は効きます。」という言葉が,上記の3つのどれなのか,さらに延命効果は無治療と比較してどれくらい延長されると予想されるのか,などを確認しておいた方がよいでしょう。



抗がん剤の効果を現す指標        
   
以下に「抗がん剤が効く」すなわち治療効果を現す用語について解説します。

奏効率(response rate; RR)    

治療を受けた患者のうち完全寛解と部分寛解になった患者の割合のことをいいます。

完全寛解(complete response; CR)とは,レントゲンやCTなどで認められる腫瘍がすべて消失し新病変の出現がない状態で4週間以上持続したものをいいます。

部分寛解(partial response; PR)とは病変の縮小率が50%以上であるとともに新病変の出現がない状態で4週間以上持続したものをいいます。

不変(no change;NC)とはCR,PR,PDいずれにも該当しない,すなわち,腫瘍が大きく変化しない状態をいいます。


進行(progressive discase;PD)とは,腫瘍が25%以上増大したり,新病変が出現した状態をいいます。

上記の完全寛解(CR)や部分寛解(PR)になれば,効いたということになりますが,4週間だけ維持されれば,これらの評価になるわけで,完全寛解(CR)になったとしても,それは治癒したとイコールではなく,その後,目にはみえなかったがん細胞が増殖するというのはよくあるケースです。




年生存率    

よく3年生存率とか,5年生存率とかいわれますが,ある種のがん患者集団の中で,治療開始からn年後の時点で生存している人の割合です。

この値はデータの収集方法によっても異なるものであり,また,何年生きられたかという数値の個人差は大きなものがあります。

また,がん治療で重視されるのが5年生存率で,多くのがんは完全寛解(CR)しても再発する場合はほとんど5年以内に起こり,5年を過ぎて再発する可能性は大変低くなります。(乳癌は10年)


生存期間中央値(median survival time; MST)    

50%の患者が死亡するまでの期間をいいます。

いいかえれば100人のがん患者いるとすると,生きている患者の数がが50人になるまでの期間,つまり生存率が50%になるまでの期間のことをいいます。

生存期間では 他に無憎悪生存期間(progression-freesurvival:増悪か死亡のうち早いほうまでの期間)

無再発生存期間(relapse-freesurvival:再発か死亡のうち早いほうまでの期間)

無病生存期間(disease-freesurvival:再発か死亡,これに二次がん診断を加えた中で,早いほうまでの期間) などの表現があります。





   
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