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「治験」とは新しい抗がん剤の製造・販売の承認を厚生労働省から得るために実施する臨床試験のことをいいます。
患者が治験に参加することには,いくつかのメリットがあります。
抗がん剤は,投与を続けると腫瘍がその薬剤に耐性を持ち,効かなくなることがあります。
患者が治験に参加すれば,まだ承認されていない新しい薬剤の投与を受けることができ,新たな治療効果が期待できます。
特に,新たに開発された分子標的薬の治験では,がんの大きな縮小効果が確認された症例もあります。
もうひとつの大きなメリットは,治験の参加者には,その治療にかかわる医療費の負担はなく,無料で受けられるということです。
参加者は,精密な検査を無料で受けられるほか,製薬企業から提供される新薬の代価や,治験期間中の入院費なども負担する必要がありません。
さらに,参加者には,ボランティア協力費,謝礼金あるいは負担軽減費などの名目で,治験所要日数×一定額が支払われることもあります。
一方,治験は無償で受けられるというメリットだけはなく,その代償としてのリスクがあります。
医師と患者に過失がない場合,治験における重大な副作用等に対しては,製薬企業が金銭的責任を負うことになっています。
しかし,治験が新薬の抗がん剤治療の実験である以上,予想外の大きな副作用が生じることで苦しんだり,障害が後遺症となって残ったり,場合によっては,被験者が死亡する場合もあります。
新しい薬の開発過程では,大規模な治験を実施する前に動物実験が行われ,基本的な安全性の確認が行われています。
しかし,その薬物に対する反応が動物と人間と同じとは限らず,動物では重大な副作用が出なくても,人間では深刻な問題が生じる場合もあるのです。
さて,治験への参加方法は大きく,3つのタイプに分類されます。
主治医や治験コーディネーターと呼ばれる人から治験へ参加をの勧められることがあります。
また,各製薬メーカーから新聞・雑誌やネットなどに募集広告がださる場合もあります。
また,インターネット上のウェブサイトにより,現在実施されている治験を調べることもできます。
以下のサイトから自分の症状にあったものを探して,問いあわせてみるとよいでしょう。
UMIN臨床試験登録システム/臨床試験の検索(医療関係者向け)
http://www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm
日本医薬情報センター
http://database.japic.or.jp/
日本医師会治験促進センター
https://dbcentre2.jmacct.med.or.jp/ctrialr/
がん情報サイト・がんの臨床試験をさがす
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/clinical_trial_new/
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