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最近では,抗がん剤治療を通院で受けることが可能となり,その機会も増えています。
通院治療がおこなわれるようになった背景には,制吐剤など副作用を抑えるすぐれた薬剤が開発されるようになったからです。
施設によっては,外来通院治療窓口を設置しているところもあります。
外来通院の注意点として,まず,処方されている薬剤をしっかりと管理する必要があります。
特に,小さな子どもがいる家庭では,薬剤を子どもの手の届かない場所に保管します。
また,抗がん剤以外の,制吐剤や鎮痛剤など副作用を抑える薬も加えると,薬剤の種類が多くなります。
そこで,薬を種類別に保管する容器を用意したり,ラベルをつけるなどして,誤飲を避けられるような工夫も大切です。
病院によっては,薬の服用予定のスケジュール表を渡してくれることもあります。
とくにスケジュール表がないときは,患者や家族が自分で作り,薬を飲むたびにチェックすれば,飲み忘れを防ぐことができます。
また,通院しながら抗がん剤治療を受けるときには,患者は自分の体に責任をもつという意識が大切です。
なぜなら,特に通院している場合,副作用による体の異常や変調には,医師ではなく,患者自身が最初に気づくことが多いからです。
自分の体調の変化や副作用の変化を見極めるため,注意深く,体調や副作用の現れ方や変化等を記録しておきましょう。
1コースから次のコースまでの自分の体の状態だけでなく,こころの状態もメモしておくとよいでしょう。
このような記録があることで,医師はその記録から,その患者により適した副作用対策や治療法を立てられるようになります。
特に外来通院で気をつけなければならないことは,感染症です。
抗がん剤は,白血球減少などを減少させてしまう骨髄抑制がみられるものが多く,その結果,免疫力の低下により,細菌やウィルスなどによる感染症のリスクが高まります。
そこで,外出したり,人混みに出るときにはマスクを着用し,帰宅したら,うがい薬を使ってよくうがいをし,手洗いも欠かせません。
外出時に,緊急事態が起こることも考えられますので,連絡先を常に身につけ,家族や勤務先にも連絡しておくことができるようにしておくとよいでしょう。
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