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ビカルタミド・抗がん剤の概要
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分類- ホルモン剤 |
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抗がん剤ビカルタミドは,男性ホルモンの影響で増殖する前立腺がんに使用される抗男性ホルモン剤です。
前立腺がんは,進行のゆるやかながんであり,治療は基本的に切除による手術が中心ですが,浸潤している進行がんに対しては,男性ホルモンを抑制するホルモン療法がおこなわれ,その一つがビカルタミドです。
男性ホルモンのテストステロンは,前立腺の組織に達することで,酵素により,より強力な男性ホルモン作用を示すジヒドロテストステロンへと変換されます。
このジヒドロテストステロンが前立腺がんの増殖を促進させます。
ビカルタミドはジヒドロテストステロンが前立腺にあるアンドロゲン受容体へ結合ことを阻害することによって,前立腺がんのがん細胞の増殖を抑制し,抗腫瘍効果を発揮する抗がん剤です。
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同様の作用により,前立腺がんの治療に使用されるホルモン剤として,フルタミドがあります。
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治療対象となるがんの種類
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前立腺がん
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投与法
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経口タイプの錠剤で,通常成人は,1日1回80mgを1日1回,服用します。
ホルモン剤LH-RHアナログ(ゴセレリンなど)と併用する場合もあります。
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ビカルタミドの主な副作用
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殺細胞剤の抗がん剤と異なり,脱毛などの副作用はあまりみられませんが,男性ホルモンを抑制することによる,主な副作用としては乳房のふくらみ,乳房痛,性的機能低下などがあります。
重い副作用はまれですが,肝機能障害やそれにともなう黄疸がみられることがあります。
さらに,白血球や血小板の減少,間質性肺炎が起こることもあります。
その他の副作用として,頭髪伸長の促進,ほてり,吐き気,頭痛,関節痛,体重増加,便秘,下痢などがみられることがあります。
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使用上の注意 |
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肝臓で代謝されるため,肝臓の悪い人は慎重に投与する必要があります。
また,肝機能障害の予防のために,定期的に肝機能検査を受けることが必要です。
この抗がん剤の使用により,精子数減少のリスクもあるため,治療に際しては,医師に相談しましょう。
ワルファリンカリウム(抗血液凝固剤)など,他の薬剤との併用で,薬剤の作用を増強させる場合あり,注意が必用です。
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