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プレドニゾロン・抗がん剤の概要
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分類- ホルモン剤 |
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商品名 |
製造・販売 |
プレドニン |
塩野義製薬 |
プレドハン |
ニプロファーマ |
プレロン |
テバ製薬 |
コハクサニン |
富士製薬工業 |
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プレドニゾロンは,合成副腎皮質ホルモン藥であり,1955年に塩野義製薬とアメリカ・シェーリング社との技術提携により,日本に初めて導入されたステロイド剤です。
副腎皮質ホルモン剤は副腎から分泌される微量のホルモンと同様の作用があり,抗炎症作用,抗出血作用,免疫抑制作用,抗アレルギー作用など多様な薬効を示します。
このような多様な薬効効果から,薬疹や関節リウマチ,各種炎症性疾患,膠原病,ぜんそく,などに対して,幅広く適用されるだけなく,細胞のアポトーシス(細胞自死)を引き起こす作用もあることから,白血病や悪性リンパ腫の抗がん剤治療に使用されています。
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治療対象となるがんの種類
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悪性リンパ腫,白血病,多発性骨髄腫,前立腺がん,転移または再発乳がん
プレドニソロンは,特に急性リンパ性白血病や悪性リンパ腫の寛解導入療法時の抗がん剤として使用されています.
また,多発性骨髄腫の標準的治療の1つであるMP療法(メルファラン+プレドニゾロン)でも使用されます。
去勢抵抗性前立腺がんにおいては,ドセタキセルとの併用でも使用されています.
一方では,その強力な抗炎症作用,食欲増進作用,気分高揚作用,制吐作用,浮腫軽減作用から,がんの緩和医療においても使用されています。
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投与法
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錠剤と散剤の内服薬と注射剤があり,食後または食事中に使用します。
再発または難治性の悪性リンパ腫の治療に対する他の抗がん剤との併用療法の場合では,プレドニゾロン250〜500mgを1日1回5日間,静注又は点滴静注します。
これを1クールとして,3〜4週ごとに繰り返します。
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プレドニゾロンの主な副作用
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抗がん剤治療時に問題となるものは胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍の発症や悪化です。
副作用として,胃や腸の粘膜に穴があくという消化管穿孔が引き起こされる場合もあります。
糖尿病の発症,悪化を誘発することもあり,その際はインスリンが必要になることもあります。
他に注意すべき副作用として,免疫力低下による感染症,膵炎,骨粗粗症,緑内障,白内障,血栓塞栓症などがみられます。
また,うつ病などの精神障害が引き起こされる場合もあります。
副腎皮質ホルモン剤によくみられる特徴の一つとして,ムーンフェイス(顔がむくむ満月様顔貌)がみられることがあります。
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使用上の注意 |
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治療中にグレープフルーツジュースを飲むと,薬剤代謝が阻害され,血中ステロイド濃度上昇が生じるリスクがあり,一緒に摂取しないよう注意しましょう。
この抗がん剤は,消化性潰瘍を悪化させるため,抗がん剤治療開始前に上部消化管内視鏡を行って消化性潰瘍の有無を明らかにしておくことが大切です。
免疫力低下による,感染症には十分注意する必要があり,治療中や治療終了後しばらくは,医師の許可なく,予防接種は受けられません。
うつ病から自殺をはかるケースも報告されており,患者の様子に対して注意をはらう必要があります。
感染症や全身性の真菌症のある人も,原則として使用できません。
アスピリン等のサリチル酸系の消炎鎮痛薬,血糖降下薬,ビタミンD剤,利尿薬,などと併用した場合,副作用がでやすくなったりすることがあり,注意が必要です。
急激な投与中止を行うと,ステロイド離脱症候群と呼ばれる,体内のステロイドホルモンの不足による症状(発熱,頭痛,食欲不振,脱力感,筋肉痛,関節痛,ショックなど)が生じることがあります。
このため急激な投与の中止を避け,症状の出現の有無を確認しながら段階的に少量ずつ減量する必要があります。
B型肝炎ウイルスキャリアの患者において,B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがあります。
本剤の投与期間中および投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど,B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意する必要があります。
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