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タモキシフェン・抗がん剤の概要
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分類- ホルモン剤 |
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商品名 |
製造・販売 |
ノルバデックス |
アストラゼネカ |
タスオミン |
バイエル薬品 |
タモキシフェンサワイ |
沢井製薬 |
タモキシフェン日医工 |
日医工 |
タモキシフェン明治 |
meijiseikaファルマ |
ノルキシフェン |
寿製薬 |
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この抗がん剤は英国で,当時のICI社(現アストラゼネカ社)によって1963年に乳がん治療薬として開発された抗エストロゲン剤と呼ばれるホルモン剤で,日本では1981年に承認されています。
抗エストロゲン薬は,乳がん細胞のエストロゲン受容体にエストラダイオール(女性ホルモン)と拮抗的に働き,エストロゲン作用を弱めることにより乳がん細胞の増殖を抑える薬剤です.
現在使用されている主な薬剤としはこのタモキシフェンの他にトレミフェンがあります。
タモキシフェンは閉経前・閉経後の両方に使用でき,発売からすでに30年以上経過し,多くのエビデンスに裏付けられた実績がある抗がん剤です。
タモキシフェンによる術後の抗がん剤治療において,5年間の内服により再発リスクが47%,死亡リスクが26%減少することが明らかになっています。
ただし5年以上投与することの有効性を示す根拠はなく,現在,5年投与と10年投与を比較する臨床試験が進行中です。
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長期のタモキシフェン服用により,子宮体がんの発症が,服用しなかった場合と比べ2〜3倍になるとされています。
ただし子宮体がんの確率は800人に1人程度とされており,タモキシフェン内服でも800人に2〜3人に増える程度で頻度は低く,タモキシフェンの再発予防効果によるメリットの方が大きいと考えられます。
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治療対象となるがんの種類
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乳がん
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投与法
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錠剤タイプの経口薬で,通常1日20mgを服用します。
現時点で,至適投与期間は現時点では5年間であると考えられており,閉経前の患者に対しては,多くの場合LH-RHアゴニスト製剤と併用します。
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タモキシフェンの主な副作用
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よくみられるのが,のぼせやほてり,発汗などの症状が突然起こるホットフラッシュなどの更年期障害様症状で,生理不順や不正性器出血などもみられます。
その他,吐き気・嘔吐,発疹,かゆみ,頭痛,食欲不振,体重増加,うつ症状,静脈血栓症,視力低下,目のかすみ,肝機能障害などもみられます。
重い副作用は少ないといわれていますが,まれに子宮筋腫や骨髄抑制,アナフィラキシー症状なども報告されています。
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使用上の注意 |
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タモキシフェンは妊娠率が上がるという副作用があり,また催奇形性も報告されているため,避妊措置が必要となります。
パロキセチン(パキシル)など,一部の抗うつ薬との併用で,抗エストロゲン薬の抗がん剤の治療効果が弱まる場合があり,タモキシフェンとの併用はできません.
更年期障害に似た副作用である発汗やのぼせなどのホットフラッシュ対策においては,服装や室温の調節などにより体温調節を行うようにしましょう。
また,アルコール,熱い飲み物,香辛料や酸味の強い食事を避けるよう注意しましょう。
体重も増加しやすいため,バランスの良い食事,適度な運動をこころがけてください。
子宮がんを発症するおそれがあるので,子宮の定期的な検査が必要です。
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