|
|
|
|
|
|
|
|
腎障害の特徴と原因
|
|
|
|
|
腎臓は,体の老廃物を尿として排出する器官であり,血液は腎臓の糸球体でろ過され,尿細管で再吸収された後,尿として排泄されます。
抗がん剤の副作用による腎障害は,直接腎臓にダメージを与える場合と,抗がん剤の作用で腫瘍細胞が破壊され,体液バランスが崩れる腫瘍崩壊症候群があります。
腎機能の低下は検査値で異常として現れます。血中尿素窒素や血清クレアチニンの上昇,クレアチニンクリアランスの低下がみられる場合は要注意です。
腎機能が低下すると,老廃物が排泄されずに血液中に増加し,腎臓透析が必要な腎不全に至る危険もあります。
腎不全の症状としては,尿量減少,尿たんぱく,体重増加,浮腫(むくみ),胸腹水などが起こり,心不全や意識障害に至ることもあります。
腎機能が低下している場合や高齢者は,このような腎不全に至るリスクも高いので,特に気をつけましょう。
|
|
|
副作用の治療法
|
|
|
現在,抗がん剤の腎毒性に対しての有効な治療法は確立していません。
したがって,予防と早期発見が大切で,異常がある場合は,薬剤投与の中止や変更などを検討します。
腎障害予防の基本は,水分を十分に補給することと,尿を出すことです。
これにより,尿と共に抗がん剤をできるだけ排泄して腎臓への負担を軽減することができます。
水分補給が難しい場合は,電解質輸液の点滴を行い水分を補います。
尿の量が少ない場合は,利尿剤が使用される場合もあります。
腫瘍崩壊症候群を防ぐために,あらかじめ,尿酸の上昇を防ぐ薬剤を投与することもあります。
|
|
患者の対処法
|
|
|
12時間以上,尿がでないとか,尿の色が異常に濃くなった,体がむくむようになった,などは要注意で,すぐに医師に報告しましょう。
十分な水分摂取が重要で,1日1500mlから3000mlが目安となります。水分摂取は,スポーツドリンク,ウーロン茶,緑茶などでかまいません。
吐き気などが強くて,水を飲むことが困難な場合には,点滴などで補いましょう。
|
|
|
|
|
|