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肝障害の特徴と原因 |
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多くの薬は肝臓で代謝されます。したがって,肝臓の代謝能力を超える抗がん剤が投与されたり,もともと肝機能の障害があった人には肝障害のリスクが高まります。
治療中に起こる肝障害は,抗がん剤によるものとは限らず,他の薬剤の可能性や,食習慣なども考えられるので,これまでの病歴や薬歴も考慮されます。
抗がん剤の副作用による肝障害は,薬の投与量にもより,投与開始数日から数週間後に現れるのが普通です。
肝障害の多くは一時的なものであり,投与中止後,約2週間ほどで回復しますが,なかには命にかかわる障害を引き起こすものもあり,注意が必要です。
症状としては,黄疸,発熱,倦怠感,吐き気,嘔吐,食欲不振,下痢,むくみ,かゆみなどがあります。
さらに症状が悪化すると意識障害が見られることもあります。
しかし,初期には身体症状として現れないことが多く,治療中の血液検査により発見されることがよくあります。
抗がん剤の治療中は,定期的な肝機能検査が大切です。
肝臓障害にはは肝細胞が壊死を起こす場合と肝静脈が閉塞するなど血流障害を起こす場合,肝臓の組織が繊維化して硬くなる場合などがあります。
肝障害はどのような抗がん剤でも起こりますが,特に肝障害を起こしやすい薬剤として,エトポシド,メトトレキサート,ビンクリスチン,L−アスパラキナーゼなどがあげられます。
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副作用の治療法 |
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抗がん剤副作用である肝機能障害を根本から治療防することはできず,対症療法が中心となります。
グリチルリチン製剤などの肝庇護剤が投与され,またステロイド剤が投与されることもあります。
進行性の肝障害が全身に及ぶ場合は、抗がん剤の使用を中止します。
また,薬剤の種類の変更や減量で多くは改善されます。
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患者の対処法 |
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アルコールは肝臓に多大な負担をかけるため,厳禁です。
食は栄養のバランスを考え,タンパク質を十分に摂取することが大切です。
運動は控えめに,睡眠と休息を十分にとりましょう。
もともと肝臓が弱かったり持病がある人や,アレルギー体質の場合は抗がん剤による肝障害の可能性があります。
治療前に必ず医師に伝えておきましょう。
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