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呼吸困難・肺炎の特徴と原因 |
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抗がん剤副作用が呼吸困難など肺の障害となって現れる場合があり,これを肺毒性といいます。この肺毒性には間質性肺炎など,時に重大な副作用となって現れる場合があり,注意が必要です。
肺障害には直接肺の細胞にダメージを与える直接的細胞障害と炎症反応や免疫反応の結果として,肺の細胞が障害を受ける間接的細胞障害とがあります。
両副作用は発熱,せき,呼吸困難などの症状が見られる点では共通しています。
間質性肺炎は直接的細胞障害で,肺胞の壁や細い気管支を取りまいている間質という組織に炎症が起こる症状です。
薬剤の使用を中止しても,肺の組織が繊維化して硬くなる肺繊維症が進行すると,治療方法がなくなり,呼吸困難となります。
間質性肺炎の副作用で話題となった「ゲフィチニブ」(イレッサ)や「ブレオマイシン」(ブレオ)は細心の注意を払って投与する必要があります。
抗がん剤投与後に,息切れや呼吸困難,動悸,せき,発熱など風邪によく似た症状が現れることがあります。
これは間質性肺炎の前兆とも考えられますので,すぐに医師に報告しましょう。
また,代謝拮抗剤であるメトトレキサートは免疫反応により,発熱,せき,呼吸困難などの症状があらわれます。
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副作用の治療法 |
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対処法としては抗がん剤投与をすぐに停止することで,特に上記のゲフィチニブやブレオマイシンを使用する場合には,動脈血の酸素飽和度や酸素濃度を測定することにより,障害の予測に役立てています。
メトトレキサートのように,免疫反応による場合にはステロイド剤の投与などの方法があります。
ただし,ステロイド剤は上記のブレオマイシンやイレッサにより引き起こされる間質性肺炎にはあまり有効でないとされます。
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患者の対処法 |
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呼吸困難にも進行する間質性肺炎は早期発見,早期治療が何より大切です。息切れ,動悸,咳,発熱などが見られた場合はすぐに医師に報告しましょう。
喫煙は癌に限らず,冠動脈疾患や慢性閉塞性肺疾患のリスクファクターでもあり,癌患者の多くが癌以外の喫煙関連疾患を合併しています。肺に負担をかける喫煙はすぐにやめましょう。
呼吸が苦しいときは,いすにまっすぐ座るか,布団などを重ね,頭を高くして寝ると楽になる場合もあります。
鼻から深く息を吸い,5秒間息を止め,息を強く吐くという深呼吸を少なくとも,4時間おきにおこない,肺組織をひろげましょう。
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