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口内炎の特徴と原因 |
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口内炎は抗がん剤副作用として,よく現れる症状で,投与後約40パーセントの人に見られます。
口腔粘膜は細胞分裂がさかんなため,抗がん剤の影響を受けやす<,口内炎も起こりやすいのです。
口内炎をおこしやすい抗がん剤として,フルオロウラシル,メトトレキサート,ドキソルピシンなどがあります。
口内炎は,抗がん剤が直接粘膜に作用して障害を受ける場合と,副作用による白血球の減少に伴う二次的な口腔内感染による場合の2通りの原因が考えられます。
抗がん剤が口腔粘膜細胞内のDNAにダメージを与えたり,その過程で発生する活性酸素によっても口腔粘膜に損
傷を与えます。
特に,放射線との併用療法では,放射線が咽頭部に当たる場合に症状が強くでることがあります。
口内炎が発生すると,同時に消化管粘膜の炎症も起こしていると考えられます。
口内炎が引き金となり,食欲不振,脱水症状,倦怠感,抑うつ症状などが引き起こされるので,十分な対策が必要です。
口内炎の発生は,投与後の2〜10日で見られることが一般的ですが,改善までには白血球の好中球数の回復を待たねばならず,時間がかかります。
治療中止後は,2〜4週間程度で改善し,治癒します。
しかし,口内炎がきっかけで広範囲の粘膜がダメージを受けると,感染症が全身に及び,生命に関わることもあり,口腔ケアなどの予防が重要です。
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副作用の治療法 |
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口内炎が発生した場合は,まず囗の中を清潔にして,二次感染を予防します。
次に局所麻酔薬やうがい薬を使ったり,口腔内を保温することで痛みを緩和します。
また,フルオロウラシルを2〜3分で急速投与する場合や,メルファランを大量投与する場合など,一部の抗がん剤治療では,口内炎を予防する効果が証明されている「クライオセラピー」という方法を行うこともあります。
この方法は投与中に,口の中に氷を入れてなめることで,口腔内を冷やし,粘膜細胞への抗がん剤の取り込みを抑制して,口内炎の発生をおさえようとするものです。 |
痛みがあるときは局所麻酔薬や消炎鎮痛剤を使用し,痛みが強い時には,麻酔性鎮痛
薬を使用することもあります。
感染症を伴う場合は,原因となるウイルスや細菌を明らかにしたうえで,抗ウイルス薬
や抗生物質,抗真菌薬などが処方されます。さらに細菌感染に効果のある好虫球を増
加させるG-CSF製剤を投与することもあります。
重症の場合は,造血幹細胞移植治療や化学放射線療法を行います。
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患者としての対処法 |
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口内炎は予防がとても大切です。清潔な水や食塩水,うがい薬などでこまめにうがいをし,口内を清潔に保てるようにしましよう。
歯磨きも重要ですが,ブラシは柔らかいものを使用し,歯磨き剤は低刺激性のものを使用しましよう。または,生理食塩水だけでもかまいません。
食事では,熟いもは避け,塩分の強いものや酸味や香辛料の強いものなど刺激性のあるものはさけましょう。
口内炎ができた場合はすぐに医師に相談し,早めの対処をすることが大切です。
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