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聴力障害の特徴と原因 |
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人間が音を認識するためには,外耳道を通った音が鼓膜を振動させ,中耳の耳小骨を動かして内耳に伝わり,神経を通してその信号を脳に届ける必要があります。
抗がん剤が,音の感覚器官である内耳の前庭・三半規管・蝸牛にダメージを与えると,難聴や耳鳴り,めまいなどの症状が現れます。
このような薬剤性難聴を発症させる抗がん剤としては,シスプラチン,ネダプラチン,カルボプラチン,パクリタキセルなどがあります。
発症時期には個人差がありますが,一般的に投与量,投与回数が増えるほど発症頻度も上がります。
難聴は,最初は高音域の聴力低下から始まります。それから徐々に低音域の聴力も低下していきます。
高音域はもともと聞こえにくいため,自覚症状が出たときは,すでに難聴が進行している場合も少なくありません。
抗がん剤は,蝸牛の平衡感覚を認識する細胞にもダメージを与えるため,難聴や耳鳴りだけでなく,めまいや吐き気なども引き起こすことがあります。
めまいは自然に回復することが多いといえますが,難聴は回復が困難なことも多く,確実な治療法も確立されていません。定期的な聴力検査による早期発見が大切です。
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副作用の治療法 |
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聴力が低下した場合には,抗がん剤を減量するか中止し,薬剤の種類を変更する場合もあります。
治療法としては,ステロイド剤やビタミン剤,血管拡張剤などが使用されます。
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患者の対処法 |
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難聴の前兆として,耳鳴りが現れることが多いものです。抗がん剤の治療中は耳鳴りに注意しましょう。
睡眠を十分にとり, 過度のストレスを避け,疲労を感じたら休息する習慣をつけましょう。
塩分や水分のとりすぎに注意しましょう。
めまいが起きた時は,部屋を暗くして静かな環境で安静を保ちましょう。
早期発見のため,定期的な聴力検査を受けましょう。 |
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