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出血の特徴と原因 |
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抗がん剤治療によって骨髄の機能が低下すると,白血球,赤血球,顆粒球,血小板など様々な血液成分が減少します。
この中で,出血した血液を固める働きがある血小板が減少すると,減少の自覚症状はありませんが,血が止まりにくくなったり,出血しやすくなります。
特に,悪性リンパ腫や白血病,多発性骨髄腫においては,出血のリスクが特に高いといわれています。
血小板減少が重症化すると,脳出血や消化管出血など命にも関わることにもなり,注意が必要です。
血小板の数が減少し始める時期は,抗がん剤の種類によっても異なり,個人差もあります。
一般的には抗がん剤投与後の約2週間前後が血小板の減少期間となります。
出血の症状としては,皮膚の点状紫斑や鼻出血,歯肉出血,結膜出血,血痰,血便,血尿など様々症状があります。
上記のような気になる症状が少しでもみられたら,すぐに医師に報告しましょう。
それだけでなく,脳内出血や臓器出血など目に見えない部分からの出血にも注意する必要があります。
血液検査の数値も出血を知る目安となります。
血小板数の正常値は12万〜38万/mlであり,5万/ml以下になると止血に時間がかかり,3万/ml以下では,少しの刺激で,歯ぐきや鼻,粘膜,皮下から出血します。
さらに進んで1万/ml以下になると臓器出血や脳内出血を起こす恐れもあります。
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副作用の治療法 |
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目に見える部分から出血している場合は,ガーゼなどを使って5分以上圧迫して止血を試みます。
止血がうまく行かない場合は,止血剤を使います。失血量によっては,血小板輸血を行います。
出血の対処では,出血の治療よりも出血を避ける生活を心がけ,予防することが大切です。 |
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患者の対処法
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出血を避けるためには,出血のリスクをともなう行為を知り,日常生活において注意することが大切です。
まず,転倒や打撲の可能性のある作業や激しい運動は控えましょう。
皮膚を傷めないよう注意しましょう。髭剃りは電気シェーバーを使用し,歯磨きはやわらかい歯ブラシを使用しましょう。
鼻を強くかむことは避けましょう。鼻から出血してしまったら,横になり,小鼻を指ではさんで5分以上圧迫し,氷のうなどで冷やしてみましょう。
便秘になると,排便時などに腸粘膜をいためることがあります。食物繊維や水分を多くとり,便秘を予防しましょう。
下着,ベルト,靴下などで,体を締めつけないよう注意し,むくみからの出血を避けるためにも,長時間立ったり,座ったりすることは控えましょう。
いずれにせよ,出血時には安静を保ち,出血が止まらないときには,すぐに医師に報告しましょう。
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