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骨肉腫とは
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骨や軟部組織(筋肉・脂肪・血管・線維など)から発生する悪性腫瘍を肉腫といい,骨から発生する悪性骨腫瘍のなかで,最も多いものが骨肉腫です。
骨肉腫は,青少年期に発症することの多い骨のがんであり,骨肉腫の多くは,下肢の長管骨に発生します。
骨肉腫は,かつては不治の病といわれ,早期から転移を起こし,多くの場合,手足の切断を余儀なくされました。
しかし,その結果,手足を切断しても肺転移を起こし,1年以内に90パーセントが死亡するという悲惨なものでした。
しかし,いまや抗がん剤をはじめとする治療法が著しく進歩し,転移がなければ,70%以上治癒できるといわれています。
骨肉腫では,手術と化学療法の併用療法が中心となりますが,放射線治療も適用されています。
一般的な治療法としては,抗がん剤で,がんを縮小させた後に手術でがんを切除し,さらに抗がん剤治療を行うというものです。
この治療の目的は,手術で完全にがんを切除するために,手術前にでがんを縮小させ,かつ,手術後の再発を予防するというものです。
また,抗がん剤はがんの進行を止め,痛みなどのという症状を緩和するという目的にも使用されます。
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骨肉腫の抗がん剤治療
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骨肉腫では手術と抗がん剤治療が中心となります。
骨肉腫には抗がん剤がよく効き,大量の薬剤を短期間に使うことが一般的ですが,薬剤で腫瘍を小さくしてからの手術もよくおこなわれています。
世界的な標準治療として,シスプラチンとドキソルビシンの併用を基本として,大量メトトレキサート,イホスファミドの組み合わせが行われています。
日本でも,シスプラチンやビンクリスチンにメトトレキサートやドキソルビシンを併用する多剤併用療法が一般的におこなわれています。
現在,以前に比較して完治する患者が大幅に増加したものの,化学療法の副作用が問題になり始めています。
骨肉腫に対する化学療法は大量でしかも長期にわたることが多くなり,それだけ副作用も強くあらわれます。
骨肉腫の抗がん剤治療では,嘔吐や骨髄抑制が強くあらわれるだけでなく,白血病などの二次的ながんや白質脳症などがまれに発生し,生殖機能,聴覚,腎臓機能,心臓や肺などに異常が生じることもあります。
現在,大量メトトレキサート療法などの副作用の強い投与法を避けたり,治療期間が短く副作用も全体として低く抑えられる投与方法などが研究されています。
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症例数の少ない骨肉腫の病院選択は重要
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骨肉腫をはじめとする悪性骨腫瘍の発生頻度は年間10万人あたり0.8人で,患者数は全国で500人ほどしかいません。
軟部肉腫は少し多いのですが,それでも年間10万人あたり2人で,全国で2000人程度です。
したがって,どの病院も経験が少なく,病院の選択は非常に重要です。
症例数が多い,経験豊富な病院として,国立がん研究センター,がん研有明病院,慶応大学附属病院,大阪大学附属病院,京都大学附属病院,大阪府立成人病センターなどがあります。
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