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アクチノマイシンD・抗がん剤の概要
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分類- 抗がん性抗生物質 |
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アクチノマイシンは,ダクチノマイシンとも呼ばれ,抗がん作用を持つことが確認された世界初の抗生物質で,放線菌の培養から発見され,米国で開発されました。
このアクチノマイシンは単一物質ではなく,アクチノシンという色素に環状ペプチドが2つ結合した構造をしている弱塩基性ペプチドです。
十数種類の物質が確認されていますが,その中で特にC,D,Jなどは悪性腫瘍の抗がん剤として効果のあることが確認されています。
Cタイプはホジキン病に使用され,Dタイプは,多剤併用療法の一部として,絨毛がんや特定の小児がんなどに使われています。
アクチノマイシンDはDNA二本鎖に結合することで,複製や転写に関与する酵素のはたらきを阻害し,抗腫瘍効果を示すと考えられています。
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治療対象となるがんの種類
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横紋筋肉腫に対するVAC療法(ビンクリスチン+アクチノマイシンD+シクロホスファミド)等,小児がんの治療では重要な抗がん剤です。
ウイルムス腫瘍,ユーイング肉腫,横紋筋肉腫など小児の固形がん,絨毛がん,骨髄腫,精巣腫瘍など
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投与法
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成人,小児共に体重に合わせた量を静脈に注射します。いずれも投与後2週間は休止します。 投与中は,点滴を遮光します。
高リスクの絨毛がんなどの妊娠性絨毛性腫瘍に対するEMA/CO療法では,メトトレキセートを1日目に点滴し,アクチノマイシンDエトポシド2日間点滴します。
メトトレキセートの毒性軽減のために24時間後から2日回ロイコボリンを使用します。
2週間後にシクロホスファミドおよびビンクリスチンを点滴します。
2週間の休薬期間でこの抗がん剤治療を繰り返します。
一方,低高リスクの妊娠性絨毛性腫瘍では,アクチノマイシン単剤でも効果を発揮します。
横紋筋肉腫に対するVAC療法では,ビンクリスチンを毎週計3回点滴します。
アクチノマイシンDとシクロホスファミドは1日目に点滴し,3週間ごとに繰り返します。
この抗がん剤治療では,4年生存率が80%くらいと報告されていますが,日本人の成人では予定通りの成績が困難であると報告されています。
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アクチノマイシンDの主な副作用
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重篤な骨髄抑制により感染症や貧血,出血傾向が見られ,その場合,G-CSF製剤の使用も必要です。
その他,重篤な副作用としては,アナフィラキシー,肝臓障害などがあり,食欲不振,吐き気・嘔吐,下痢,口内炎などの消化器症状がよく見られるます。
食欲不振,悪心・嘔吐や口内炎などの消化器症状には,制吐剤などを使用し,対処します。
また,脱毛や皮膚の色素沈着などの皮膚症状,全身倦怠感や手足のしびれ,頭痛などがみられる場合もあります。
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使用上の注意 |
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点滴中に抗がん剤が血管外にもれると,皮膚炎や皮膚に潰瘍ができることもありますので,点滴中は安静をこころがけてください。
肝臓や腎臓に障害がある人は,抗がん剤の投与に際して,慎重に検討する必要があります。
また,水痘または帯状疱疹にかかっている人はこの藥剤の使用はできません。
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妊婦または妊娠している可能性のある女性では使えません。
小児あるいは生殖可能な年齢の方で,抗がん剤治療が必要な場合には,性腺に対する影響を考慮する必要があります。
抗がん剤の併用療法を行った場合は,副作用として白血病を含む二次発がんがあらわれるリスクがあります。
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