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ブレオマイシン・抗がん剤の概要
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分類- 抗がん性抗生物質 |
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ブレオマイシンは,1966年梅澤濱夫博士によって土壌から分離された放線菌株の培養液から発見された糖ペプチドの抗がん剤です。
がん細胞内部の鉄と結びつき,酸素を活性化することでフリーラジカルを作って,DNA鎖を切断すると考えられています。
このブレオマイシンは,多くの抗がん剤にみられる副作用である骨髄抑制がほとんど生じないという特徴があり,さらに悪心・嘔吐などの副作用も比較的軽い薬剤といわれています。
注射剤タイプと軟膏タイプがあり,前者は塩酸塩,後者は硫酸塩で,2種類あります。 |
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治療対象となるがんの種類
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皮膚がん,頭頸部がん,肺がん,食道がん,悪性リンパ腫,子宮頸がん,神経膠腫,甲状腺がん,胚細胞腫瘍など,多くのがん腫の抗がん剤治療に使用されます。
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投与法
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凍結乾燥した注射剤と軟膏タイプがあり,注射剤は生理食塩水またはブドウ糖液と混合して,静脈,筋肉,皮下または動脈に投与します。
成人の静脈注射では,通常1週間に1~2回程度,また,毎日連続投与もあります。
軟膏は1日1回患部に塗り,塗布後は,手をよく洗い,室温で保存します。
ABVD療法((ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)は,ホジキンリンパ腫の標準的抗がん剤治療として位置づけられています。
これまで,ホジキンリンパ腫に行われてきたMOPP療法(メクロレタミン+ビンクリスチン+プロカルバジン+プレドニゾロン)と比較して,5年生存率,
CR (完全奏効)率ともにABVD療法が上回り,二次発がんや不妊症といった有害事象が少ないことから標準的治療とされています。
ABVD療法では消化器毒性が強いため,ダカルバジンを減量したABVd療法と比較試験を行った結果,ABVD療法と同等の治療成績を得られたため,日本ではABVd療法を標準的抗がん剤治療として実施しています。
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ブレオマイシンの主な副作用
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副作用としての骨髄抑制はほとんど見られず,吐き気・嘔吐などの症状もも比較的軽い反面,間質性肺炎さらには肺線維症などの重い症状もみられます。
間質性肺炎・肺線維症が投与患者の約10%に出現し,重篤化することがあるので十分注意する必要があります。
皮膚の硬化・色素沈着や口内炎など,皮膚や粘膜の障害がしばしばみられます。
発熱や悪寒が投与時に現われることがありますが,通常はあまり問題になりませ
ん。
まれに,高熱や発汗などに伴い腎不全を生じる場合があり,死亡する症例も報告されています。
ショックを起こすことがあるので,投与中には観察を慎重に行い,異常が認められた場合には抗がん剤治療を中止する必要があります。
その他の,一般的な副作用として,脱毛,全身倦怠感,食欲不振・体重減少などが現れます。
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使用上の注意 |
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副作用である肺障害を起こす可能性が高いため,60歳以上の高齢者および肺に基礎疾患がある患者への投与は十分に注意する必要があります。
軟膏を塗布した後は,皮膚に薬剤が残らないようによく手を洗い流してください。
抗がん剤ペプロマイシンの治療に対して過敏症の既往歴がある場合や,重い腎臓障害,心臓疾患のある人も使用できません。
胸部およびその周辺部への放射線照射がおこなわれている場合,肺障害のリスクが高まるため,使用できません。
動物実験で催奇形性が報告されているため,,妊婦または妊娠している可能性のある人は医師と相談してください。授乳は中止してください。
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