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ミトキサントロン・抗がん剤の概要
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分類- 抗がん性抗生物質 |
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商品名
ノバントロン |
製造・販売
ワイス/武田薬品工業 |
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ミトキサントロンは,もとは,アントラキノン系合成染料として使用されたものでしたが,後に抗がん効果が明らかとなり,ドキソルビシンの類似物質として,新たに開発されました。
がんは一種類の抗がん剤に対して,効果を示さなくなると同時に複数の薬剤に効果を示さなくなることが多く,これを専門用語で交差耐性と呼んでいます。
ミトキサントロンはこの交差耐性が少ない薬剤とされており,他の薬剤で抗がん剤治療ができなくなった場合にも,使用できるというメリットがあります。
その作用は,DNAの螺旋構造に入り込み,その二重鎖DNAと結合することで,その合成を阻害するとともに,酵素トポイソメラーゼⅡの働きを抑制し,がん細胞を死滅させるというものです。 |
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治療対象となるがんの種類
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急性骨髄性白血病(慢性骨髄性白血病急性転化を含む),乳がん,卵巣がん,前立腺がん,肝細胞がん,非ホジキンリンパ腫,ホジキンリンパ腫,小児の白血病・悪性リンパ腫
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投与法
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濃紺色をした粉末状の注射剤で,生理食塩水やブドウ糖液と混合して使用します。
通常,成人には1日,1回体表面積に合わせた量を点滴か静脈注射で投与します。
内分泌療法後,再発前立腺がんに対し,ミトキサントロンとプレドニソロンの併用にて治療効果が認められていましたが,ドセタキセル(タキソテール)+プレドニソロン併用療法が生存期間延長に優れた効果が認められ,使用されるようになりました。
非ホジキンリンパ腫では多剤併用療法として使用されていますが,標準治療には至っていません。
急性非リンパ性白血病において,第2次以降の治療法として,急性骨髄性白血病ではシタラビンとの併用,急性前骨髄球性白血病では,ミトキサントロン単独で地固め療法に使用されています。
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ミトキサントロンの主な副作用
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注意すべきこの薬剤による抗がん剤治療の副作用として,心毒性があり, 160mg/㎡を超える投与で,またアントラサイクリン系抗がん剤を用いていた場合は100mg/㎡を超える使用で,うっ血性心不全を含む心毒性のリスクが増大します。
骨髄抑制は,ほぼすべての患者にみられ,それにともなう感染症や貧血,出血傾向には注意あ必要で,頻回に血液検査などをおこなう必要があります。
他の重篤な副作用として,間質性肺炎,アナフィラキーショックが報告されています。
一般的な副作用として,吐き気・嘔吐や食欲不振,下痢などの消化器系の副作用はよくあらわれますが,吐き気・嘔吐などの症状は比較的軽いといわれています。
脱毛も多く見られ,肝機能障害,発熱,発疹,不整脈,頭痛,倦怠感などが起こることもあります。
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使用上の注意 |
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他の抗がん剤による治療や放射線療法を併用した場合,副作用が増強する可能性があります。
特に,胸部への放射線照射と併用すると,心臓障害のリスクが高くなります。また,心臓の機能異常やその既往歴のある人は使用できません。
この抗がん剤の投与後に,色素によって,尿が青色になることがありますが,特に問題はありません。
点滴中に薬剤が血管外にもれると,皮膚に炎症や潰瘍ができることもありますので,点滴中はできるだけ安静をこころがけてくだざい。
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