|
|
|
|
|
|
ペプロマイシン・抗がん剤の概要
|
|
|
|
|
分類- 抗がん性抗生物質 |
|
|
|
|
|
|
|
ペプロマイシンは,ブレオマイシンの構造を少し変えてつくられた,ブレオマイシンの誘導体です。
同じ抗がん性抗生物質のブレオマイシンは1969年から販売されていましたが,副作用として肺毒性が強いという特徴がありました。
この肺毒性を軽減した抗がん剤がペプロマイシンであり,1980年に承認され,翌年に注射薬が発売されました。
ブレオマイシンに比べて,肺毒性が弱いだけでなく,抗腫瘍作用が強く,抗がん剤治療の効果を示すがんの範囲が広いのも特徴とされています。 |
|
|
|
治療対象となるがんの種類
|
|
|
悪性リンパ腫,頭頸部がん,肺がん(扁平上皮がん),前立腺がん,皮膚がんなど。
|
|
投与法
|
|
白色の注射剤で,生理食塩水やブドウ糖液に溶解し,静脈内注射,筋肉内注射,動脈内注射いずれかで,1週間に2~3回投与します。
|
|
ペプロマイシンの主な副作用
|
|
|
ブレオマイシンより,肺毒性が弱くなったとはいえ,重大な副作用として,間質性肺炎・肺線維症が7%の患者にあらわれます。
血圧低下,悪寒,発熱,意識混濁,嘔吐などをともなう,アナフィラキシーショックもまれにみられます。
発熱,口内炎,食欲不振,脱毛,倦怠感,吐き気などもよくみられます。
その他の副作用として,皮膚や爪が黒ずむなどの色素沈着や皮膚の肥厚,爪の変形等,皮膚疾患もよくみられます。
|
|
使用上の注意 |
|
|
息切れや空せきなどの症状がみられた場合には,間質性肺炎の前兆ともいえますので,すぐに医師に報告してください。
間質性肺炎又は肺線維症は,肺に基礎疾患持っている患者や高齢者の場合には,投与量を減量しても発現頻度が高いので十分な注意が必要です。
ブレオマイシン製剤の抗がん剤治療を受けた患者にペプロマイシンを投与した場合,副作用としての毒性が増強する場合があります。
重い腎臓機能障あるいは心臓疾患のある患者は使用できません。
胸部およびその周辺部への放射線治療を受けている人も,間質性肺炎などのリスクが高くなるので使用できません。
動物実験で催奇形性が報告されている為,妊婦または妊娠している可能性のある人は医師と相談してください。授乳は中止してください。
|
|
|
|
|