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ジノスタチンスチマラマー・抗がん剤の概要
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分類- 抗がん性抗生物質 |
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ジノスタチンスチマラマーは,国内で開発された抗がん剤で,今ではほとんど使用されることのないネオカルチノスタチンを改良したものです。
がん細胞のDNAを直接切断することで,DNAの合成を抑制し,がん細胞を殺傷するという抗腫瘍効果を発揮します。
この薬剤は肝臓がんに対する肝動注療法や,肝動注療法の中心的な薬剤として,使用されています。
このジノスタチンスチマラマー(スマンクス)は,近年開発された新しい抗がん剤治療法であるドラッグデリバリーシステム(DDS)の代表的薬剤として,注目されています。
一般的な抗がん剤治療は主に,点滴や静脈注射で投与される方法が中心で,薬剤が血流と共に全身を巡るため,目にみえない,全身に広がったがんには効果的です。
しかし,固形がんの場合,腫瘍組織に届くのは,ごく一部で,大変効率が悪く,しかも正常細胞への影響から副作用の出やすい治療法ともいえます。 |
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このような抗がん剤の欠点をなくすために,腫瘍のみ集中して,薬剤を送り込む治療法ががドラッグデリバリーシステム(DDS)です,
ジノスタチンスチマラマー(スマンクス)は親油性のため,油性のX線造影剤リピオドールを動脈に注射すると,腫瘍組織に長く停滞し,正常組織からはすぐ排除されます。
この新しい抗がん剤治療であるドラッグデリバリーシステム(DDS)は,副作用を抑え,効率的にがんを死滅させる方法として,期待を集めています。
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治療対象となるがんの種類
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肝臓がん(肝動注療法・肝動脈塞栓法) 肝動脈塞栓法では承認を得ている唯一の抗がん剤です。
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投与法
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油性の注射剤で,肝動注療法では,油性の造影剤と混合し,カテーテルを通して肝動脈から局所注入し,これを1日1回,4〜6週間おきに投与します。
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ジノスタチンスチマラマー(スマンクス)の主な副作用
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重大な副作用として,アレルギー反応の一種であるアナフィラキシーショックがあります。
この症状としては,急激な血圧低下,呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,じんま疹などがみられ,場合によっては死に至ることもあるので,要注意です。
肝不全やそれにともなう,黄疸,腹水等がみられる場合もあります。
また,間質肺炎や,急性腎不全が起こることもあります。
発熱や腹痛などをともなう肝膿瘍があらわれることもあります。
肝動注療法による抗がん剤治療では,薬剤が肝臓以外の部位に流出してしまった場合,消化管出血や胃・十二指腸潰瘍,脳梗塞,肺梗塞,肺塞栓などが起こることもあります。
その他の,一般的な副作用としては発熱,吐き気,貧血等の骨髄抑制のほか,尿量の減少やかゆみやむくみなどの症状がみられることがあります。
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使用上の注意 |
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間質性肺炎は治療困難な肺繊維症に移行することが多いので注意すべき副作用です。発熱,咳,息切れ,呼吸困難などがみられたらすぐに報告してください。
ジノスタチンスチマラマーは,ヨード系薬剤が使用されており,これまで,ヨード系薬剤によって重い過敏症を起こしたことのある人は使用できません。
また,ヨード系の薬剤(甲状腺ホルモン剤など)を服用している人は注意が必要です
重篤な甲状腺疾患のある人や総ビリルビン値が3mg/dl以上の人,肝がんの病期がVの人も原則として使用できません。
動物実験で,催奇形性が報告されていますので,妊婦または妊娠している可能性のある人は医師と相談してください。授乳中の人は,授乳を中止してください。
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