子宮体がん

   
 子宮体がんの抗がん剤治療     

抗がん剤治療と副作用のすべて

乳がんの最新の抗がん剤治療や副作用をわかりやすく解説

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子宮体がんの治療 

 
 
   
子宮体がんには,子宮内膜に発生する子宮内膜がんが95%以上を占め,子宮の筋肉に発生する子宮肉腫は5%をしめるに過ぎず,子宮体がんはほとんどの場合,子宮内膜がんです。
 
かつては,子宮頸がんの方が患者数は多かったのですが,近年増加傾向にあり,現在では子宮頸がんを上回っています。

子宮内膜に発生したがんは次第に子宮の筋肉に浸潤し,さらに子宮頸部や卵管・卵巣に及んだり,骨盤内や周囲のリンパ節に転移したりします。

さらに進行すると,腹膜,腸,肺,肝臓,骨などに転移します。 子宮体がんは50,60代に最も多く発見されます。


子宮体がんは,女性ホルモンのエストロゲンに長い間影響を受けるとがん発症リスクが高くなると考えられています。

初潮が早かったり,閉経年齢が高かったり,出産経験がない人や30歳以降に出産した人は発症リスクが高くなります。

この他にも生理不順になるようなホルモンバランスの乱れや,高血圧,糖尿病なども子宮体がんのリスク要因になるといわれています。

肥満の人は閉経後は卵巣からは分泌されないエストロゲンが,脂肪細胞から作られるため子宮体がんの発症リスクが高くなります。

このようなエストロゲン依存型の子宮体がんは進行が遅く,リンパ節転移の少ないがんであり,40〜50才代に多くみられます。

一方,エストロゲン非依存型の子宮体がんは全体の20〜30%をしめ,比較的進行が早く,リンパ節転移の確立も高いがんであり,60才代以上に多くみられます。

また,がん抑制遺伝子であるPETN遺伝子の異常が,子宮体がん患者の30〜50%に認められ,がん発症と関係していることが解明されています。



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 子宮体がんの病期(ステージ)と治療      スポンサードリンク
病期  病状 治療
I期  A期
がんが子宮筋層の2分の1未満のもの
手術。出産希望者にはホルモン治療をすることもある
B期
  がんが体部にとどまるが子宮
筋層の2分の1をこえるもの
手術土化学療法
U期
がんが子宮頸部問質に浸潤するが子宮をこえていない
手術土化学療法
V期    A期
子宮漿膜または卵巣・卵管を侵すもの
手術+化学療法
B期
膣ならびに子宮傍組織へ広がるもの
手術+化学療法土放射線療法
C1期
骨盤リンパ節に転移のあるもの
手術+化学療法土放射線療法 
C2期
大動脈リンパ節に転移のあるもの
手術+化学療法土放射線療法 
W期 A期
膀胱あるいは直腸粘膜を侵すもの
化学療法土放射線療法
B期
遠隔転移のあるもの 
化学療法
※±は実施する場合とない場合とがある

子宮体がんはW期以外は原則として手術となります。

T期の手術は単純子宮全摘出術が基本ですが,T期Aは出産希望者は子宮温存のため,ホルモン療法を行う場合もあります。

U期に対する術式はガイドラインによれば,「子宮頸部間質に浸潤があれば、広汎子宮全摘出術または準広汎子宮全摘出術が望ましい」とされていますが,専門家でも意見が分かれ,術式は各医療機関によっても異なります。

V期,W期では,再発のリスクが高い場合,術後に抗がん剤投与が行われることが多く,施設によっては放射線治療をさらに追加する場合もあります。

これまでIV期の場合は手術は不能で,抗がん剤治療が行われる場合がほとんどでしたが,最近では,抗がん剤を投与後に,遠隔転移が消失した場合,手術を実施する場合もあります。
     



T期のホルモン治療


IA期の子宮体がんで,妊娠・出産の希望があり,高分化型であれば,黄体ホルモン治療がおこなわれることがあります。

実施される条件として受容体があることや,画像検査でI期であることが推定される必要があります。

3か月ごとの子宮内膜組織検査をしながら,高用量のプロゲステロンの投与を6か月間続け,がんが消失していれば一定の期間をおいて妊娠できるようになります。

ただし,この治療はがんを治すことが目的というよりも,妊娠のために,一時的にがんを消失させるということが目的であり,多くの場合がんが再発します。

したがって,この治療法はリスクの高い治療法でもあり,ホルモン治療の効果がなく,がんが進行し,手術をせざるをえなくなったり,ときには手術という選択肢もとれなくなる可能性もあり,よく検討する必要があります。

また,ホルモン治療には,血栓症や肝臓の機能低下という副作用がり,血栓症のリスクや肝機能に問題がある患者は,ホルモン療法を受けることができません。



子宮体がんの抗がん剤治療


再発するリスクが,中〜高リスクの子宮体がんの患者には,手術後に抗がん剤治療が実施されます。

抗がん剤治療の中心になるのは,プラチナ製剤のシスプラチンやカルボプラチン,アンスラサイクリン系のドキソルビシン(アドリアマイシン,アドリアシン)やタキサン系のパクリタキセル(タキソール)やドセタキセル(タキソテール)などで,通常は2種類以上の抗がん剤を組みあわせた治療法がおこなわれます。

現在,世界で標準治療とされているのは,抗がん剤シスプラチンとアドリアマイシンの併用療法(AP療法)です。

副作用として心臓に悪影響をおよぼす心毒性や,腎臓に悪く作用する腎毒性があり,さらに吐き気・嘔吐,悪心,食欲減退など副作用も強いという特徴があり,途中で中止せざるをえないこともあります。

このようなことから,国内では抗がん剤パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法(TC療法)がおこなわれる場合もあります。副作用としては,軽度の吐き気や骨髄抑制,手足のしびれ,脱毛などがあります。

その他に抗がん剤ドセタキセルとシスプラチンの併用(DP療法)も試みられており,以上AP療法,TC療法,DP療法の3つの比較臨床試験が実施されています。


海外のの子宮体がんの抗がん剤治療では、副作用の少ないパクリタキセルとシスプラチンを併用するTP療法も推奨されています


副作用としては,吐き気・嘔吐,脱毛,手足のしびれ,骨髄抑制がありますが,消化器系の
副作用はグラニセトロン(制吐剤)で抑えます。

アメリカのMDアンダーソンがんセンターでは,進行・再発した子宮体がんの治療に,ゲムシタビン(ジェムザール)とシスプラチンの併用で,50%の効力があったと発表しています。


     
       
  
  
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