| |
|
|
|
|
|
|
 |
スニチニブの概要
|
分類- 分子標的薬剤 |
| |
|
|
スニチニブ(スーテント)は複数のタンパク質リン酸化酵素(キナーゼ)を阻害することにより,抗腫瘍効果を発揮するマルチキナーゼ阻害剤と呼ばれる分子標的薬です。
スニチニブ(スーテント)が,標的とする分子は,血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR-1,-2,-3),血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-α,-β),幹細胞因子受容体(KIT),マクロファージコロニー刺激因子-1受容体(CSF-1R),Fms様チロシンキナーゼ3受容体(FLT-3),グリア細胞由来神経栄養因子受容体(RET)で,多数あります。
この抗がん剤は,受容体型チロシンキナーゼに,ATP(アデノシン三リン酸)よりも強く結合することで,ATPの結合を阻害し,チロシンキナーゼ活性を抑制し,血管新生や細胞増殖を抑え,抗腫瘍効果を発揮します。
スニチニブ(スーテント)は,ソラフェニブに続いて,腎細胞がんに保険承認された分子標的薬でもあり,根治切除不能または転移性腎細胞がん,イマチニブ(グリベック)抵抗性消化管間質腫瘍(GIST)で保険適用となっています。 |
 |
臨床試験において,腎細胞がんでは,前治療のない転移性腎細胞がん患者に対して,サイトカイン療法よりも生存期間が延長することが確認されています。
また,消化管間質腫瘍(GIST)では,イマチニブが効かない進行・再発GISTにおいて,スニチニブを投与することにより,がんが縮小し,生存期間の延長を認めることが臨床試験で示されています。
スニチニブは,多くの腎細胞がんや消化管間質腫瘍(GIST)患者に効果を示すものの,完全奏効(CR)は,ほとんどみられません。
したがって,良好なQOLを保ちながら,可能なかぎり長期間腫瘍増殖を防ぎ,延命をはかることが治療の目標となります。
|
 |
治療対象となるがんの種類
|
|
|
根治切除不能又は転移性の腎細胞がん,イマチニブ(グリベック)抵抗性消化管間質腫瘍
| |
 |
投与法
|
|
スニチニブは一日1回4カプセル(50mg)を4週間連日内服し,その後2週間休薬します.これを1コースとして投与を繰り返します。
副作用によって,適宜,休薬・減量します.減量する場合は12.5mgずつ減量します。
| |
 |
スニチニブ(スーテント)の主な副作用
|
|
|
分子標的薬のスニチニブはほとんどの患者で何らかの副作用がみられますが,多くの場合,適切な対処・減量により,対応が可能です。
高頻度にみられる副作用としては,血小板減少,白血球減少,手足症候群,高血圧,倦怠感,下痢,悪心嘔吐などがあります。
手のひらや足の裏に生じる皮膚病変が生じる手足症候群はソラフェニブと比較すると多くは軽症ですが,病変部を刺激しないことや,保湿クリームや外用ステロイド剤で対処します。
疲労感,倦怠感は,甲状腺機能低下症が原因である可能性があります。採血の結果によっては,甲状腺ホルモンを補充します。
高血圧は投与初期に発現しますが,血圧上昇は脳卒中や心臓疾患のリスクを高めるので注意が必要です。
一般的には,標準的な降圧薬治療で対処が可能です。
その他に 出血,消化管穿孔,肝機能障害,心機能障害,腎機能障害,問質性肺炎などの重篤な副作用があります。
| |
 |
使用上の注意 |
|
|
重い心障害が現れることがあるので,この抗がん剤の使用前や使用中に心機能検査が必要です。
血圧上昇は脳卒中や心臓疾患につながるため,投与開始前の血圧を把握し投与開始後は朝・夕2回の血圧測定を習慣化することも大切です。
この抗がん剤に含まれる成分で過敏症の既往歴がある人や妊婦または妊娠可能性のある人は使用できません。
また,心電図QT間隔延長またはその既往歴のある人も,原則として使用することはできません。
次の場合は慎重に投与する必要があります。
イマチニブに抵抗性のある消化管間質腫瘍,骨髄抑制,高血圧,心臓や脳血管障害またはその既往歴のある人。
肺塞栓症またはその既往歴がある人,脳転移がある人,甲状腺機能障害や,肝臓に重い障害のある人。
酵素シトクロムであるCYP3A4を阻害する薬剤との併用により,この抗がん剤の代謝が阻害され,血中濃度が高まるリスクがあります。
またシトクロム酵素CYPを誘導する薬剤との併用により,この抗がん剤の代謝が促進され,作用が低下する可能性があります。
グレープフルーツジュースは作用を増強し,セイヨウオトギリソウ含有食品は作用を低下させるおそれがあります。
脳に転移がある場合は脳出血が,不整脈治療薬を飲んでいる場合などは心室性不整脈が現れることがあります。
めまい,眠気,意識消失などが現れることがあるので,自動車の運転等には注意してください。
|
|
|
|
|
|
|