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エキセメスタン・抗がん剤の概要
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分類- ホルモン剤 |
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乳がんを治療するためには,乳がんの増殖に関わるエストロゲン(卵胞ホルモン)のはたらきを弱める必要があります。
閉経前では,主に卵巣からエストロゲンが分泌されますが,閉経後では副腎皮質から分泌されるアンドロゲン(男性ホルモン)が酵素アロマターゼによってエストロゲンへと変換され,作用します。
エキセメスタンはエストロゲンを生成させる酵素アロマターゼを阻害することにより,乳がんのようにエストロゲンの影響を受けて増殖するがん細胞を抑制する抗がん剤です。
イタリアのファルミタリア カルロエルバ社(現ファイザー社)は,1982 年より,アロマターゼ阻害剤の開発をはじめ,アロマシン(エキセメスタン)を発見しました。
エキセメスタンは乳がんの治療薬として,世界各国で承認され,その数は2005年には世界80 ヵ国以上にのぼります。
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日本では,閉経後乳がんの治療薬として,2002年7 月に承認されています。
日本で承認されたアロマテーゼ阻害剤には,エキセメスタンの他にレトロゾールやアナストロゾールがあります。
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治療対象となるがんの種類
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閉経後の乳がん
タモキシフェンなどの抗エス卜口ゲン剤に耐性をあらわすようになった閉経後の進行および再発乳がんにも効果を示します。
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投与法
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錠剤で,錠剤(内服薬)
通常,成人には1 日1 回25mg を食後に経口投与します。
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エキセメスタンの主な副作用
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殺細胞剤ではないので,副作用は軽いとされ,重篤な副作用はほとんどみられません。
この抗がん剤の副作用で比較的よく見られるものが,顔面のほてりです。
吐き気・嘔吐,めまい,多汗などが多くみられるほか,高血圧や頭痛,疲労感などもみられることがあります。
長期服用した場合,骨密度低下による骨粗鬆症に至る場合もあります。
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使用上の注意 |
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長期にわたる服用による骨密度の低下や骨粗鬆症の発症による骨折には注意しましょう。
骨粗鬆症治療薬などエストロゲン薬剤と併用した場合,抗がん剤の効果を低下させてしまうことがあるので注意が必要です。
肝臓病や腎臓病のある人は症状を悪化させることもあるため,慎重に使用する必要があります。
特に,肝機能検査や骨密度検査などは定期的に受け,肝機能や骨密度の異常をチェックする必要があります。
本剤の服用により,めまいや眠気、脱力感を引き起こすことがあるので,車の運転などは十分注意しましょう。
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