減量抗がん剤療法

  抗がん剤を減量することで長期延命を可能にする治療法

 
       減量抗がん剤療法    

抗がん剤治療と副作用のすべて

最新治療から副作用まで抗がん剤治療のすべてがわかるサイト

  スポンサードリンク
    
   
最新情報満載!がん治療・がん治療最新情報
 - contents -
  大腸  肝臓  食道  膵臓   
子宮体  子宮頸  前立腺  脳腫瘍  乳房  頭頸部 
胆道  腎臓  膀胱  卵巣  骨肉腫  甲状腺 
悪性リンパ腫  多発性骨髄腫  白血病     

    効くがんと効かないがん                  副作用の種類と対処法 
    治療が適応となる患者                  遺伝子検査と診断
    治療前に確認すべきこと                  化学療法の種類と特徴 
    抗がん剤の奏効率                  アルキル化剤 
    抗がん剤の効果判定                  代謝拮抗剤 
    副作用の種類と出現時期                  植物アルカロイド 
    臨床試験と標準治療                  抗がん性抗生物質 
    補助療法                  プラチナ製剤 
    多剤併用療法                 ホルモン剤 
    化学放射線療法                  分子標的治療薬 
    局所投与法                  化学療法の長所と問題点 
    減量抗がん剤療法                  支持療法 
    共存療法・休眠療法                  治療中の食事 
    免疫最大化がん治療                  これからの抗がん剤治療 
    がん幹細胞と化学療法                  化学療法Q 
    近藤理論(がん放置療法)                     

 

       
 
     
       

減量抗がん剤療法

   

ここでは現在,「減量抗がん剤療法」で有名な梅澤充医師を紹介したいと思います。

梅澤医師は「間違いだらけの抗ガン剤治療」(ベスト親書)「使い方次第で抗がん剤は効く!」(kkベストセラーズ)を執筆されており,ブログ「現在のガン治療の功罪~抗がん剤治療と免疫治療」も人気を博しています。


 

梅澤医師の治療のポリシー

   

まず,彼は現在の抗がん剤の標準治療というものに疑問を投げかけています。

「現在,製薬会社主導で最大耐用量の抗がん剤治療を使った治験を行っているという実態がある。」

「この治験において,無治療あるいは他の治療と比較して,数ヶ月長生きできるというデータが得られると,これをエビデンス=科学的根拠があるとして,現在の最良の治療法と説明されている。」

「しかし,この猛毒治療の結果,わずかな延命と引き替えに副作用に苦しみながら,死をむかえる。これは本当に患者が望む治療法なのか?」

彼が副作用に苦しまず治療できる「減量抗がん剤療法」を始めたのはこの疑問が原点といえるでしょう。
 梅澤 充(うめざわ・みつる)  
   医師 プロフィール
1983年 東京慈恵会医科大学卒業
1983年 同大学大学院入学
同大学病院第二外科入局
 
1987年 大学院修了医学博士号取得
米ノースウエスタン大学留学
1989年 大学医局派遣 町田市民病院外科勤務 
2002年 免疫治療クリニック勤務
近畿大学腫瘍免疫研究所
非常勤講師
 
2003年  両職退職町田医長病院勤務を経て,現在は大塚北口診療所を拠点に診療
日本癌治療学会・日本癌学会会員

ある時,がんが全身に転移して,「もう抗がん剤治療をやり尽くして,余命は3ヶ月,あとはホスピスしかない。」といわれたがん患者が梅澤医師のもとに,治療を求めて来院しました。

そこで,抗がん剤の投与量を従来の基準の十分の一に減量し投与したところ,症状が回復し,腫瘍は消滅したわけではないが,6年たった現在でも元気に生活しているそうです。


これでこの治療法に手応えを感じ,他の患者にもこの「減量抗がん剤療法」を始めました。

梅澤医師は「抗がん剤治療では,生存期間のわずかな延長で,副作用の大きな治療よりは,患者さんのQOL・幸福を視点にして,医者は患者さんと同じ夢を抱きながらの治療で行われるべきです。」
   

さらに,「数字の意味はどうとでも解釈できますが,大切なのはその裏にある本質で,それを僕はQOL,一人ひとりの「人生の質」だと思っています。」と,話をしています。

このような考え方から,梅澤医師は「つらいならその治療は行わず,治療法を変える。そして,平穏な日常を破壊するような治療は絶対行わない。これが私のポリシーです。」とも語っています。

    



 

減量抗がん剤療法の実際

   

彼の,減量抗がん剤療法は別ページでも紹介している金沢大学(現在,化学療法研究所附属病院在籍)の高橋豊医師の「共存療法・休眠療法」の一つと考えられます。

ただし,高橋豊医師の治療は分子標的薬が中心なのに対して,梅澤医師は従来の細胞毒性型の抗がん剤も積極的に使用するところが違いといえます。

基本的には,抗がん剤をごく少量から使用を始めますが,抗がん剤の種類は,エビデンスを重視し,標準治療となっている第一選択薬を優先します。


従来型の抗がん剤を使用するだけでなく,最近ではがんの種類によって,分子標的治療薬を使用する場合もあり,この薬剤は副作用がでにくいので,量を増やして使うこともあります。

しかし,ごく少量でも,がんの進行が効く場合が少なくなく,効果があったらその投与量を続け,当初の量で効かなかったら,徐々に投与量を増やして,副作用がなく効くレベルを探し,その投与量を長期に渡って投与するというものです。

副作用の感じ方には個人差があり,つらいという訴えがあったら,すぐに薬を切り替えます。

この方法では人によって適量が異なるため,少量にこだわっているわけではなく,時には標準治療の投与量を超える場合もあります。

すなわち,標準治療のマニュアル通りにおこなうのではなく,個人の体質に応じて投与量をかえるというテーラーメイド治療(個別化)治療を実施しています。

この方法では,身体に与えるダメージが少ないので,標準治療よりも生存期間も長いケースも多く,標準的な治療法だと,標準的な生存期間中央値が,1年前後とされていても5~6年程度の延命ならざらにあるそうです。


     
       
     
 スポンサードリンク
   


 
     
 
               
       
 

ごく少量の薬剤で効果がでる理由

   

梅澤医師は語ります。「抗がん剤の投与量を通常,効果がないとされる量より,さらに投与量を抑えても,効果があるのです。」

「これは抗がん剤の殺傷力以外の力が加わったとしか考えられない,すなわち免疫細胞による力と考えられます。」


  少量の薬剤で免疫活性を高めたと推論できる症例    

この推論を裏付けるような症例が彼の著書「間違いだらけの抗ガン剤治療」で紹介されています。



彼のもとへ乳癌の患者が来院しました。左乳房の異常には自分でも気付いていたものの,病院へ行くのが怖くて,様子をみていたところ,全身の骨の痛みに加えて,胸水がたまって呼吸も苦しいという状態になってしまっていました。

CT検査では,乳腺が崩れ落ちるような状態で,左右両側には巨大肺転移,さらには骨転移まで進行し,これはステージIV期という状態でした。

当初は,ホルモン剤と標準治療が効いたのですが,副作用も次第に強くなり,タキソールという抗がん剤を骨髄抑制が起きないレベルで,できるだけ減量して投与したところ,半年以上,がんは変化なしの状態を維持できました。



しかし,徐々に腫瘍マーカーも増大したため,患者さんの意向もあり,健康食品を内服する免疫治療を開始したところ,腫瘍マーカーも減少し,骨の痛みも軽減され,麻薬も中止できました。



しかし,半年もたたないで,悪化してきました。通常なら抗がん剤の量を増やすことが常識です。患者の体力もまだ,増量に耐えうるものでした。

ところが,梅澤医師は思うところあり,あえて,抗がん剤の減量投与をこころみました。すると,腫瘍マーカーが再度減少し,がんの縮小が示唆されました。

さらに薬剤の量を減らすとさらに腫瘍マーカーが下がり,最終的には120mgで効果のなかった抗がん剤がわずか45mgで大きな効果がでたのです。



「薬剤の投与量を減らすほど,がんが縮小する。」この医学の常識に反するパラドックスがなぜ起きるのでしょうか? いまだ,最大投与量優先を主張する医師は信じないかもしれません。

梅澤医師はこの効果があがった理由を「抗がん剤を減量したことで,免疫細胞も多く生き残れ,がんに作用したからではないか。」と語っています。

「健康食品でも免疫力は高まったが,少量の抗がん剤により,免疫細胞ががん細胞を認識しやすくなり,このような効果をあげたのではないか。」とも語っています。




     
      


 
               
       

最近の研究で判明した少量の薬剤による免疫賦活作用

   
 

最近の免疫研究によると少量の抗がん剤がどのようにして,免疫細胞の免疫効果を高めるのか,解明されつつあります。

がん細胞に限らず,細胞表面には,細胞に対する様々な信号を受け取るレセプター(受容体)が存在します。

がん細胞表面に存在するTRAIL受容体と呼ばれるレセプターが,NK細胞やTリンパ球のTRIL分子と結合すると,がん細胞自ら死んでいく,いわゆるアポトーシス(細胞自死)を起こすことが知られています。

下に示した図は少量の薬剤投与で,免疫細胞のNK細胞やTリンパ球のTRAIL分子と結合した際に細胞死を伝える信号が伝わりやすくなることをモデル化して示したものです。

がん細胞は,しばしばこの細胞死(アポトーシス)の信号を伝えにくくする,すなわちTRAIL抵抗性を持ちます。

しかし,抗がん剤を少量投与することで,がん細胞が弱まり,この信号伝達に抵抗性があったものが解除され,アポトーシスの信号が伝わりやすくなるのです。

ただし,抗がん剤を投与しすぎると骨髄へのダメージにより,免疫細胞自体が減ってしまうので逆効果です。   
 


     
     



   
               
         

減量抗がん剤療法のまとめ

   
 
現在,この様な減量抗がん剤療法は支持者が増えてはいるものの,実施施設も少なく,まだ臨床データも十分とはいえません。

それでも梅澤医師は「使い方次第で抗がん剤は効く!」の著書の中で,匿名で年齢,がん種,全生存期間,前治療の内容,治療期間などを公開しています。


梅澤医師は「この減量抗がん剤療法で効果のでなかった患者さんもいます。ではその患者さんに標準的に大量の抗がん剤を使っていたら効果を見たでしょうか?」

「いきなり,標準的に最大用量の細胞毒を注入することは,効かなかったときに,患者さんの身体に大きなダメージだけを残します。そしてそのダメージは,結果的に患者さんの寿命を縮めます。」と語っています。

人間の身体は本来治癒力を持っています。がんに対しては免疫力という治癒力がはたらいています。腫瘍の縮小と引き換えに免疫細胞に大きなダメージを与える,現在の抗がん剤治療は,この免疫力をあまりに軽視しているのではないかと思います。

そして,患者の体力や気力までも奪ってしまう患者が副作用に耐えうる限界量に近い投与量を標準とする現在主流の化学療法に疑問を持っている医師は少なくはないと思います。

しかし,このように薬剤を減量する治療法は普及してはいません。

梅澤医師は「いまだ,腫瘍縮小第一主義を尊重する医師もいる。」と批判しています。

確かに,腫瘍を小さくさせるだけなら,抗がん剤は多いほうが効果があるに決まっています。

しかし,そこから人体や免疫細胞が受けるダメージも考慮すると,現在,最大耐用量限界近くの投与量を前提として組み立てられている臨床試験そのもののスタイルにも疑問符がつきます。



梅澤医師は著書の中で,最後に以下のように述べています。そのまま一部を引用させていただきます。

「この本を読まれて,従来とは少々違う治療方法を希望される患者さんがいらっしゃれば,まず今の主治医に相談され,そこでご希望の治療を受けられることをお勧めいたします。」
 
「万一,主治医の同意が得られず,それでも,本著のような今までとは違う〃エビデンスのない治療法〃をご希望の患者さんは,私の勤務する町田市の町田胃腸病院に直接ご連絡いただくか,Eメールで,

machidaclinic@r5.dion.ne.jp または xumezawa@d8.dion.ne.jp にてお問い合わせ下さい。」
 
「私は,さいたま市の三愛病院でも勤務しており,そちらでの治療も可能です。必要であれば,町田でも,さいたまでも当然,入院治療も可能です。」

  町田胃腸病院   東京都町田市旭町1-17-21 TEL:042-726-6511

 
三愛病院   埼玉県さいたま市桜区田島4丁目35−17 TEL048-866-1717
 

「わかすぎファミリークリニック(院長若杉慎司先生)でも,同様の低濃度抗がん剤治療は可能です。」

 わかすぎファミリークリニック  東京都荒川区東尾久1丁目30−8 TEL:03-5855-0585

     
               
               
        
   
 
 Copyright(C)2013 All Rights Reserved