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ごく少量の薬剤で効果がでる理由
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梅澤医師は語ります。「抗がん剤の投与量を通常,効果がないとされる量より,さらに投与量を抑えても,効果があるのです。」
「これは抗がん剤の殺傷力以外の力が加わったとしか考えられない,すなわち免疫細胞による力と考えられます。」
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少量の薬剤で免疫活性を高めたと推論できる症例 |
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この推論を裏付けるような症例が彼の著書「間違いだらけの抗ガン剤治療」で紹介されています。
彼のもとへ乳癌の患者が来院しました。左乳房の異常には自分でも気付いていたものの,病院へ行くのが怖くて,様子をみていたところ,全身の骨の痛みに加えて,胸水がたまって呼吸も苦しいという状態になってしまっていました。
CT検査では,乳腺が崩れ落ちるような状態で,左右両側には巨大肺転移,さらには骨転移まで進行し,これはステージIV期という状態でした。
当初は,ホルモン剤と標準治療が効いたのですが,副作用も次第に強くなり,タキソールという抗がん剤を骨髄抑制が起きないレベルで,できるだけ減量して投与したところ,半年以上,がんは変化なしの状態を維持できました。
しかし,徐々に腫瘍マーカーも増大したため,患者さんの意向もあり,健康食品を内服する免疫治療を開始したところ,腫瘍マーカーも減少し,骨の痛みも軽減され,麻薬も中止できました。
しかし,半年もたたないで,悪化してきました。通常なら抗がん剤の量を増やすことが常識です。患者の体力もまだ,増量に耐えうるものでした。
ところが,梅澤医師は思うところあり,あえて,抗がん剤の減量投与をこころみました。すると,腫瘍マーカーが再度減少し,がんの縮小が示唆されました。
さらに薬剤の量を減らすとさらに腫瘍マーカーが下がり,最終的には120mgで効果のなかった抗がん剤がわずか45mgで大きな効果がでたのです。
「薬剤の投与量を減らすほど,がんが縮小する。」この医学の常識に反するパラドックスがなぜ起きるのでしょうか? いまだ,最大投与量優先を主張する医師は信じないかもしれません。
梅澤医師はこの効果があがった理由を「抗がん剤を減量したことで,免疫細胞も多く生き残れ,がんに作用したからではないか。」と語っています。
「健康食品でも免疫力は高まったが,少量の抗がん剤により,免疫細胞ががん細胞を認識しやすくなり,このような効果をあげたのではないか。」とも語っています。
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