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フルベストラント・抗がん剤の概要
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分類- ホルモン剤 |
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商品名 |
製造・販売 |
フェソロデックス |
アストラゼネカ
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フルベストラント(フェソロデックス)はイギリスのICI社(現,アストラゼネカ社)によって開発され,2011年に販売された,新しい抗エストロゲンステロイド性抗がん剤です。
この薬剤は,閉経後の再発乳がんまたは,進行乳がん治療藥として,すでに1種類以上の他のホルモン療法を実施している乳がんを適応としています。
フルベストラント(フェソロデックス)はこれまでのホルモン剤とは異なる仕組みで作用し,エストロゲン受容体に対するエストロゲンの結合を阻害するだけでなく,腫瘍内のエストロゲン受容体を減少させることができます。
これらの作用により,がん細胞のDNAの転写を抑制し,増殖を阻害します。
この新しい作用のメカニズムは,がん細胞の増殖や転移を抑制するだけにとどまらず,長期間使用すると抗がん剤が効かなくなるという薬剤耐性を獲得しにくいと考えられ,その治療効果が期待されています。
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ただし,この薬剤は,は消化管吸収率が低く,静脈内投与時において半減時間が短いことから,長時間にわたる作用が期待できる筋肉内投与製剤が開発されました。
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治療対象となるがんの種類
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閉経後乳がん。
原則としてホルモン受容体の発現が陽性で,すでにホルモン療法を行っている症例
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投与法
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注射剤で,通常2筒(フルベストラントとして500mg含有)を初回,2週後,4週後,および,その後4週ごとに1回,左右の臀部に1筒ずつ,注射により,筋肉内投与します。
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フルベストラント(フェソロデックス)の主な副作用
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おもな副作用として,注射部位疼痛,注射部位硬結,ほてり,注射部位そう痒感などが比較的多くみられます。
重篤な副作用として,肝機能障害,血栓塞栓症などがあります。
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使用上の注意 |
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この抗がん剤は閉経後の患者に適用されるもので,閉経前患者への投与はできません。
この抗がん剤の投与の際は,問診等により過敏症の既往を確認し,本剤の成分であるフルベストラント,エタノール,ベンジルアルコール等に対する既往歴がある場合には投与できません。
動物試験で,この薬剤は生殖能や胚・胎児の発生への影響があり,死亡率増加などの生殖毒性が確認され,母乳中にも検出されたことから,妊婦,授乳婦における使用はできません。
肝機能障害や重度の腎機能障害がある患者へは慎重に投与する必要があります。
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