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リュープロレリン・抗がん剤の概要
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分類- ホルモン剤 |
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リュープロレリンは,性腺刺激ホルモンのLH-RHによく似た構造を持つアゴニスト製剤とよばれる抗がん剤です。
この薬剤は,自然の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(LH-RH)に比べてはるかに強く受容体に強く結合する性質があります。
そこで,下垂体の性腺刺激ホルモン受容体にこの薬剤成分が結合することにより,受容体の数を減らし,その結果,精巣から分泌されるテストステロンや卵巣から分泌されるエストロゲンの分泌を減少させることができます。
これら性ホルモンの減少させることで,この性ホルモンの影響で増殖する乳がんや前立腺がんのがん細胞の増殖を抑制することができます。
LH-RHアゴニスト製剤は前立腺がんの抗がん剤として1980年代にすでに開発されていました。
これをもとに,薬剤が体内で少しずつ放出される徐放性製剤として,投与間隔をあけられるように改良したものが,リュープロレリン(リュープリン)なのです。
国内では1992年に,前立腺がんの抗がん剤として認可され,その後は閉経前乳がんの治療薬としても認可されました。
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現在,同じような仕組みで作用する薬剤として,他に,ゴセレリン(ゾラデックス)があります。
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治療対象となるがんの種類
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前立腺がん,閉経前乳がん(エストロゲン受容体(ER)陽性)
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投与法
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注射剤で,体内に少しずつ放出される除放剤でのため,投与間隔が長く,1ヶ月に一度か,3ヶ月に一度皮下に注射します。
リュープロレリンのような,LH-RHアゴニスト製剤を単独で使用することはあまりなく,多く場合,タモキシフェンのような抗エストロゲン薬と併用して使用します.
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リュープロレリンの主な副作用
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重い副作用があらわれることはまれで,副作用は比較的少ない方ですが,性ホルモンの分泌量が大幅に下がる影響で,更年期障害に似た副作用がみられます。
多汗,のぼせ,ほてり,動悸などがみられる他,うつ状態,骨密度の低下,月経異常などもみられます。
男性では,投与開始時に,あくまで一時的なものですが,性腺ホルモン受容体が刺激され,テストステロンの分泌が増加するため,痛みや尿路閉塞がおこることがあります。
また,まれですが,まれに,強いアレルギー反応であるアナフィラキシーや間質性肺炎や肝臓障害などがみられる場合もあります。
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使用上の注意 |
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はじめて,この抗がん剤を投与した時に,、一時的なものですが,ホルモン分泌が増加することで,骨部に痛みを感じることがあり,このような場合,すぐに看護師や医師に報告してください。
リュープロレリンやゴセレリンのようなLH-RHアゴニスト剤のみの投与は,効果があらわれにくいとされ,抗エストロゲン剤と併用されることが推奨されています。
胎児に奇形のリスクがあるので,この抗がん剤の治療中は男女ともに,避妊が必要です。
副作用として,体重増加がみられた場合,食事や運動でコントロールすることが望ましいといえます。
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