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アムルビシン・抗がん剤の概要
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分類- 抗がん性抗生物質 |
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アムルビシンは,日本で開発されたアントラサイクリン系の抗がん剤で,世界で初めて完全に合成されたものです。
DNAの間に入り込み,酵素トポイソメラーゼⅡの働きを阻害し,DNA鎖を切断することで,がん細胞の増殖を抑え,抗腫瘍効果を発揮します。
他のアントラサイクリン系薬剤とは異なり,副作用である心毒性の重い障害は報告されていませんが,注意は必要です。
2006年に発表された臨床試験の報告では小細胞肺がんに対して,最初の抗がん剤治療としてアムルビシンを投与した場合,アムルピシン単独で約75%の奏効率が報告されています。
また,すでに何らかの抗がん剤治療を受けていた場合でも,約50%で腫瘍縮小効果が認められたといいます
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小細胞肺がんに対する効果は高く,未治療であっても効果が期待されますが,標準的なレジメンとして日本ではシスプラチン+イリノテカン,欧米ではシスプラチン+エトポシドであり,日常診療においてアムルビシンは,標準治療不応例や再発例で使用されています。
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治療対象となるがんの種類
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小細胞肺がん,非小細胞肺がんの治療に使用されます。
小細胞肺がんに対する効果は高く,単独投与で奏効率約75%という臨床試験結果が報告されています。
非小細胞肺がんには抗がん剤に対する感受性が低く,他剤との併用療法が行われています。
アムルビシンは,標準治療で,効果がみられなかった場合や,再発例でも使用されています。
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投与法
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橙色の注射剤で,成人には生理食塩水かブドウ糖液と混合し,通常は,1日1回,3日間,静脈注射で投与します。
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アムルビシンの主な副作用
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この薬剤による抗がん剤治療では骨髄抑制の副作用は強くあらわれ,好中球減少や出血,貧血がみられ,注意が必要です。
食欲不振,吐気,嘔吐などの消化器症状が出現することが数多く報告されているため,制吐剤が必要で,制吐剤としては,5-HT3受容体拮抗薬やステロイドが使用されます。
また,胃潰瘍や十二指腸潰瘍を起こすこともあります。
急性型呼吸機能低下では,発熱が主にみられ,まれに急速に呼吸困難に陥る場合があります。
肝機能障害,腎機能障害も報告されているため,採血などによる検査で,必要ならば,アムルビシンを減量して投与します。
間質性肺炎・肺繊維症にも注意が必要です。
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使用上の注意 |
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他の抗がん剤を用いる際には骨髄抑制が増強される可能性があるため,その際にも減量などに留意する必要があります。
骨髄抑制による感染症には十分注意し,感染症を防ぐための手洗い・うがいや,人混みを避ける,マスクを着用するなどの予防措置が必要です。
血小板減少による,出血の際には止血を行い,医療機関を受診し適切な処置を行なう必要があります。
これまでに胸部への放射線治療や,アントラサイクリン系の薬剤による抗がん剤治療を行ったことがある場合,副作用としての心筋障害が増強するリスクがあるため,適宜アムルビシンを減量する必要性があります。
アムルビシン投与中に他のアントラサイクリン系薬剤の投与は慎重に行う必要があります。
息切れや空せきなどの症状があらわれた場合には,間質性肺炎の兆候ともいえますので,すぐに医師に報告してください。
呼吸機能低下や心機能低下に伴う症状は診察でしかわからない場合もあり,日ごろから症状の出現に気を配りましょう。
日ごろから感染症予防のため,手洗い・うがいなどをこころがけ,できるだけ人混みを避ける,マスクを使用するなどの対策を行う必要があります。
動物実験で,催奇形性が報告されているので,妊婦または妊娠している可能性のある人は医師と相談してください。また,授乳は控えてください。
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